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「どうした？」
マイク越に言われる言葉に俺はとんでもない失態をしまくっていることに気づいた。
「今日のメイン？」
思わず言った言葉に一斉に彼に視線が向けられる。
「そう、俺やで？」
「嘘やろ。」
「嘘ちゃうで、横山さんになんて言われて来たん？」
「仕事してきてな。」
「……雑な案内やな。」
大笑いして言われたんやけど、大事なところむっちゃ説明抜きで俺はここに来て、今この場所にいる人に俺は相当な爪痕を残してしまったことに気づいた。
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「横山さんが何も言わないなんて珍しい。」
スタッフさんにそう言われると俺はカメラを眺めファインダーを覗き込む。照明の確認が入ったり、ステージの立ち位置を確認したり様々な人の往来をシャッター切って確認をしてを繰り返す。
「毎回そうなんですよ、俺だけに。」
「君だけに？」
「やたらな情報入れると変になるからって。」
「そう言う人、たまにいるよね。」
「そんなつもりないんですけど、人に寄っちゃうみたいで。」
「それっていい事じゃないの？」
「横山くん的にダメなんですって、それは意味ないって。」
「さすが元カメラマンは言う事違うね。」
「そうなんですよね。」
シャッタースピードと露出を調節し、再び見てを繰り返す。
１台は先生のもとでよく使っていたメーカー
もう１台は最近使い勝手がいいって話を聞いていたメーカーを交互に使って確認をしていく。
ブレは後で消せばいいし、記録だから好きなだけ保存がかけれる。
観客の入ってない通路を歩きながら周りを見て歩き、何気なく撮っていく。音が聞こえないくらいのレベルのカメラはほんまにありがたい。スタッフ控室に入ってからTシャツを渡され着替えてからのスタッフシールをジーンズに貼ってからもう一度カメラを確認していく。
久しぶりの感触。
ほんまこのごつごつした機械って感じが好きなんやけど。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
