24 ページ24
.
「横山さんから話は聞いています。すいませんね、リハーサルの時から来てもらって。」
むっちゃフレンドリーのスタッフさんに肩をバンバン叩かれながら本日のタイムスケジュールを渡されて、すぐにホールの説明。
雑誌カメラは決まった場所だけど記録係は結構フットワーク使って好きな場所で撮影OKって珍しいって思う。通常は雑誌が色々動いて記録の方が決まった場所で撮影が多いのに。
サポートメンバーの方々が演奏を始めていくのを眺めながらどこで撮影するか考えながらあちこち歩いている時だった。
「なんでお前がここにおんねん！」
音楽が急に止まり、マイクから聞こえた声に振り返ると俺は固まった。
ステージから下りて俺の前に来た人の顔を忘れるわけがない。
「隆平の手伝いの人間がなんで？」
大慌てできたのはさっき声をかけてきたスタッフさんで「知り合い？」なんて質問を投げると彼はむっとしながら言う。
「1度会った。」
「横山さんの所で？」
「は？この人横山さんの関係なん？」
「そうそう、今日の記録係で横山さんに相談したら彼が来たんよ。」
軽く会釈すると「えぇぇぇぇ、横山さんの？嘘やん。」なんて言われたんやけど、マジにそうなんですけど。
「横山くんに行って来いと言われて来ました。」
「お手伝さんとバイトだけやないんか？」
「色々諸事情で。」
「ふーん。」
むっちゃ馬鹿にした反応されたんやけど。でも、言い返せへんけど、仕方ない。
「横山さんの知り合いならちゃんと頼むで。」
そう言うてステージに戻っていくの心の中で呟く。
―――久しくカメラしてないんで変なの取ったらごめんね。
マジにそうなんやもん。スマホでは撮影しているけど、カメラは久しぶりなんだって、変な写真だらけの時は横山くんにクレーム言うてください。なんて思いながらいると、普通に話していたけど、い
や、普通に話していいんか？
「RYOが人を覚えているって相当な印象与えたんだね。」
スタッフさんに言われて、渡された紙を見てもう一度ステージを見て「あぁぁっ！」なんて大声上げてしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
