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「先生はどうして？」
お会計を済ませんてから俺はそう質問をすると丸山先生は「はは……知り合いに会いに。」なんて言うた。こんな場所で知り合いに会うってなかなかない事だと思うけど。
右も左もあっち系の店だらけの巣窟ですよ、マジですか。
ドラックストアを出て少し歩いて店の方に俺が行こうとした時やった。
「ゆ、ゆゆちゃん！」
聞き覚えのある声！
めったに外に出ないからこうして外で会ってしまうのか？そうなのか？
振り向けば、ちょっとほろ酔いの見覚えのある……そう、大っ嫌い先輩の田村さんが仲間内でいた。
「こんばんは。」
何て言うけど、心の中は握り拳で声をかけるんじゃねぇ。なんて思っているけど、客だから言えへん。
「ゆゆちゃんとここで会えるって。俺のこと待ててくれたんです？」
「いえ、買い物で。」
なんでお前を待つのか教えてくれ、俺は一切興味ないし何を考えてんのこの人。
「ゆゆちゃんのお店って紹介制度じゃないですか、スズキさんが紹介入れてくれないから店に行けないんですよ。ゆゆちゃんの事が気になって気になって頼んでもスズキさんOKしてくれなくておかしくないです？」
スズキさんに頼んだの俺やって。
絶対単身で来られたら何をされるか分からへんもん。
それより酔っぱらっているじゃないか、悪酔いのクセ酷いって木村先生に怒られていたの忘れたのか！
べたべた触るなって。
「あの、触るのはちょっと。」
「ゆゆちゃん！」
ぎゅっと手首を握られて怖いって感じたのは木村先生の事務所で何度かあった。この人の力の強さは前から分かっているし、冗談で引き寄せられたらちからで逃げきれないって言うのも。
「嫌がってますよ。」
丸山先生の声が聞こえると、先輩は「あぁ？」なんて急に不機嫌になって完全に態度豹変。
「誰お前。」
スズキさんの大事な先生をそんなこと言うて大丈夫なんか、先輩。
「僕は覚えてますけど、きみは覚えてないってこの仕事向いてませんよ。」
「無名の奴か？」
違うって、超有名人ですから！
むっちゃ喧嘩口調の先輩と違って丸山先生は冷静でなんか不思議な構図でちょっと大丈夫なのか。いつの間にか人が集まっていてこの状況は絶対ダメな感じちゃうの？警察来ちゃうって！
眼鏡を外した瞬間気づいた。
目つきが違う。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
