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「いらっしゃい、ゆゆです！」
ニッコリ笑って隣の席に座ってからアルコールを作りながらおしゃべりをする。
ふわふわの髪の毛にピンクのネイル
お気に入りの淡いピンクのワンピース
ヒールの色もピンクなんてかわいらしく
「やだぁ、そうなんですか？」
ニッコリ笑って言えばおっさん、おにいさん、おばちゃん、おねえちゃん大喜び
「ゆゆ、最近欲しいのあるんです。」
何て言うたら「何が欲しい？」言うに決まってるやん
「いいのかな？」
あざとい行動しながら欲しいのぽつり言うと
「来週来た時に持ってくるから。」
はい、頂きました！
「えー、嬉しい。」
照れて言う言葉に反応するってマジにあほちゃう？
弾んだ会話とニッコリスマイルで写真撮影して本日のお会計をいただいて無事に終了。
はい、次の客に行きます。って、マジにいかれた商売。
「そのいかれた商売で生きてるお前が一番凄いって思うんだけど。」
「え？褒められてるー、ゆゆ嬉しい。」
「マジイラつくそのキャラ。」
なんて毒吐かれて「はいはい、すいませんね。」なんて言うてからウィッグを外してデカいヒールを脱いで本日の仕事も終了。
「大倉のキャラマジにその辺にいそうで怖いんやけど。」
「前に付き合っていた女をベースやからな。マジに、こんな女で怖いねん。」
さっきまで着ていたワンピースをハンガーにかけながら言う言葉やないって思うんやけど、まぁこれも仕事やって思いながら化粧落としシート使ってファンデーションを落としながら仕事用のスマホを操作していくのは毎度のことで、次の予約をチェックしながら帰り支度。
「すね毛の手入れでいいのって何があります？」
背後から聞かれて隣にいたやつに言われる。
「大倉、毛が少ないからそう言う悩みないってムカつかない？」
「マジですか？」
「マジでーす。腕の毛もツルツルで脇もないから最高やろ？」
「完全にこの商売向きの体じゃないっすか。」
これって褒められているのかマジに分からない。ネイルをしていた爪をガリガリ外しながらいると騒がしい感じは男子校のノリで毎回愉快。大笑いがあったり、悩みを言うても即解決ってありえへん感じやけど、これぞ体育会系のバカノリって感じでさっきまでと真逆の世界。
「お疲れさまでした。」
店を出ていつものように階段を下りてサングラスを少しずらして見える看板を確認してから俺は小さくため息をする。
女装カフェ勤務
それが現実
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
