162 ページ12
.
「長友ってあの長友なんか？」
横山くんがグラスに入った水を飲みながら言うと俺は「どの長友か知らんけど。」なんて返事をすると笑った。
「そうやな、大倉は知らんな。」
「写真が飾ってあって、何人かおった中にすば るくんがおって大学のサークル言うてた。」
「なら、俺の言うてる長友はあの長友や。」
もっと分からへんけど。勝手に冷蔵庫を開けてレモンボトルを取り出してグラスに入っている水に数滴落としてから飲んでいく。
「横山くんの名前を呟いていたで？」
「仲は良かったんやけど、お前と違ってシてへん。」
「なにその言い方。」
「ほんまやろ？長友は確か……すば るの女だった気がするん。」
「はい？」
「昔過ぎて覚えてへん。」
「いや、待って。俺にとってそこ大事ちゃう？」
「そうか？」
「そうやん。すば るくんの名前出てきたらなんか……気になるやん。」
「もう関係ないやんか。昔の話やで？」
「そうやけど。でも、なんで横山くんの名前をみゆが呼ぶんや？」
「知らんな。」
きっぱり言われたんやけど、その部分をみゆに聞く勇気は俺にはない。もし横山くんの事を勝手に思っているんだったらそこは自由だし、単に横山くんが覚えてないって言うのはないんかな。
そもそも……すば るくんの元彼女がみゆ？
もう混乱なんやけど。
俺はすば るくんの知り合いでした！なんて、言えるわけもないしよけいなこというたら地獄絵図見えるやん。
絶対言えへん。
「ま、過去の事やな。」
きっぱり言われても俺は逆にすっきりせえへんけど？
「長友のオヤジさんはいい評判は聞かへんからすば るに言うたことあるんよ。」
「大学の時にそんな噂聞くってなんで？」
「病院関係あるあるやな。」
「恐ろしいあるあるなんやけど。」
俺はそう言うて視線をリビングから見える窓に向けるとレースのカーテンで覆われて外の景色は見えへんけど明かりは注がれている。
昼間のこの時間は窓を開けたいかもしれないのに俺のせいで閉ざしているって申し訳なるけど、トラウマは早々に消えたりはせんもんな。
「長友のオヤジの仕事は知ってるん？」
「さぁ。」
「長友の仕事は？」
「もっと知らん。」
「知らんのか、仕事？」
「興味ないし、知って俺が何を言うかって感じやし。」
俺は横山くんの隣に座ると「そうやな。」なんて結構あっさりした答えを返して来た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。本当にどうなるんだろう？と、書いてる時分が思いながら書いてしまいました。大人の話も楽しんでいただける様に書いていきたいです。 (2021年3月12日 8時) (
レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - お疲れ様でした。毎日更新が凄く楽しみでした。終わってしまうのが寂しいです。大人のお話も次のお話も凄く楽しみに待ってます。 (2021年3月10日 15時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ミムラ様 コメントありがとうございます。ゆっくり時間かけての更新ですがこれからもよろしくお願いいたします。 (2021年3月4日 16時) (レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - 毎日楽しみに更新待ってます。大人の部分楽しみです．文章、言い表し素敵です。 (2021年1月22日 10時) (レス) id: 7580c075fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月20日 16時
