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正直、その行動の意味はこの時は分からんかった。
俺の事を知りたい？
不意に思い出したその言葉に一瞬で寒気がして紙コップをごみ箱に捨てて奥のエレベーターに向かって歩いて行く。
大学の時に付き合った女がよく言うてた言葉と同じやん。
-----俺のこと知りたい
体のいい言葉やけど、実際は全て把握しないと気が済まないって言う事やんか。
眼鏡のブリッジを上げて思い出すのは散々な目にあった大学時代。
高校では経験しなかった人間関係の難しさ。
壊れてしまってからの再構築の困難さ。
またここでそれを経験しろって言うのはマジに避けたい。
スマホを取り出すとユリカからLI〇Eが届いていた。
【いつもの店にいるから。】
これはそう簡単に帰れへんって言うフラグかもしれへん。
そう思いながら到着したエレベーターに乗り込んだ。
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思ってもないことが起きるって年末に向けて結構忙しい時に止めて欲しいってマジに思う。そうでなくても俺のキャパは仕事のせいで限界に近くて私生活何てどうでもいい状況になっていて、今月発売のDVD初回限定版を予約できなくて結構へこんでいるって言うのに。ひなのちゃんの特典映像が付いているって言うのに、失態して結構しんどいのになんでユリカに会わなあかんねん。
寝てなんとか元気になろうって思っているのに。
実家に戻った時にお祓いでもしてくればこんな事ならんかったんちゃうかな。
なんて、呑気な事を考えている自分がどこかにいて
真剣な表情で俺を見てくるユリカを見てどうやって断れば今後に支障がないかって真剣に考えている自分もおった。
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「だから、俺は彼女作る気はないねん。」
「どうして？」
「なんでユリカに言わなあかんねん。」
俺が店に来た時、ユリカは既に飲んでいて妙に気合が入っていて俺的にはさっさと帰って寝たい気持ち満載やった。席についてしばらくして即の質問が「なんで女作らないの？」って言う学生的な内容
でスタートしたん。
「今は仕事でいいって前々から言うてるよな？」
「モトカノ忘れられないって言ってましたー。」
ほんま余計な事を覚えているなってマジに思う。店員の持って来たハイボールを飲んでから俺はポケットから煙草を出してから答えた。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
