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入社して同じ本店勤務で過ごして営業課に行っても話をしてほぼ毎週一緒に飯食っていたら恋するなんてごく自然やったと思うん。
付き合ってほしい言うて何度も何度も告白してダメで理由を知ってショックで普通ならあきらめるのに、なんで俺はその越えてはいけないラインを跨いでしまったのか未だに分からへん。
会社の人に知られないように隠れて付き合う関係
不倫ってそう言うもんや。
堂々と出れるもんやない。
キタミツにばれたけど、あの時……佐野さんが既婚者だったことは知らん。だからやり過ごせた部分もあったんかもしれへん。
「今は？」
章ちゃんの心配な顔で俺を見てくる。
「寂しい男言うたやん。」
「ほんまに？」
「ほんまやって。飲み屋で意気投合してラブホは行っちゃうけど。」
「は？それはもっと危険やん。」
「危険なん？いや、なんか飲んでてついってやつで。」
「写真撮られて脅されちゃうで。」
「そんなに俺って危ない？」
「結構。」
「……写真は撮られないように気を付ける。」
笑って言う言葉ちゃうんやけどな。章ちゃんは現在彼女募集中らしくてどうやったらできるんだって色々質問してきたんやけど、そもそも新しい恋に踏み出せへん男に質問しても無意味だって思うんやけど。
「あ……アニメのキャラには恋してる。」
「はぁ？忠義そこに着地したん？」
「いや、なんかええなって。」
「僕はリアルな子がええの。」
「なら無理や。」
きっぱり言うと章ちゃんは笑ってくれた。
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いや、きっと心のどこかで呆れていると思う。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
