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「開封の儀なんていいからさっさと開けろよ。」
キタミツは何もわかってへん。
開封する緊張感がどれくらい大事か？真っ黒い袋の中で待っているひなのちゃんを助けなきゃあかんねん、俺の所に来るように……く……
「激レアやん。」
「……えぇ。」
「天使スタイルのあんずちゃんに、パンダのぬいぐみ持ったじゅりあちゃん。これ最強だって、ステージ衣装のともちんとみかちん。これ欲しがる子多いよなぁ。」
「なぜ？なぜに、ひなのちゃんが当たらないんだ。」
「ここまで外れると何も言えねぇ。」
むっちゃ大笑いしているんだけど、いじめやん完全に。確かに、この激レアアイテムなのはわかってるん、ともちんみかちんのステージ衣装は各店舗１つしか入ってないお宝アイテムなのも分かっているんやけど、俺はひなのちゃんやねん。
「笑いつかれた、ジュース買ってくる。」
俺の悲しみなんて気にしないでエスカレーター乗って上のフロアに行きやがった。
はぁぁぁぁぁ、なんで、なんでひなのちゃんが来ない?
なん……
「ちょ、ちょっとお兄さん！」
それは突然やった。
「さっき聞こえたんですけど、交換しませんか？」
かなりの突然の出来事。
「私2回引いて２つともひなのちゃんだったんです。ステージ衣装とウサギの着ぐるみ着ているバージョン。」
ふぉ……そ……それは俺が必死こいて引いても当たらなかった2種類。
「私の持っている２つとそのともちんみかちんと交換は無理ですか？」
目の前にズイっと出されたそのアクスタは1か月週末通いでも当たらなかった欲しくてほしくてもがいていたアイテム。
「まじですか……嬉しいです、ほんまに嬉しいです。」
交渉成立
今日を逃したら会えない、もうそれは無理ってことでキタミツに言い放った言葉を撤回してさっさと交換してしまう俺ってチョロヲタ。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
