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高校、大学の頃は何も考えず好きなコトして過ごしていた方やと思う
気が付けば出会いは減る
元々出会いを求めてへんから気にもしてへん
週末は洗濯していつでも飯に困らないように常備菜作ってシャツのアイロンかけちゃう29歳独身男子ってどうなんですかね、これ
「末期。」
きっぱり言われて「それ言わんでや。」なんて返事を返すと呆れ顔で言われたん。
「そもそも、なんでお前がモテないか分からへん?」
「普通に過ごしている、俺は毎日普通に過ごしてる。」
「は?普通ってどこが?毎週日曜日に俺を誘ってアニ〇イト来て推しのキャラクターアクスタ買うために必死にくじ引きしているのが普通だって言うん?」
「普通やん。むっちゃ、普通やで?ひなのちゃんのアクスタは激レアでなかなか当たらない。当たると言われているのをネットで調べ確率高く聖地と言われている場所にあるアニ〇イトで買うべきちやう?」
「大倉、その熱量を女子に向けろ。」
「無理!俺にとってひなのちゃん以上の女の子に会えない限り無理やねん。」
「いや、アニメに恋する前に生身の子に恋してくれ。」
「キタミツには分からん、俺の気持ちなんて。」
「いや、俺はお前のその熱量が分からへん。」
呆れ口調で言われたんやけど。
そもそも付き合ってくれる北村の方が暇なんちゃうの?俺はこの店に来るという使命で来ているんであって、この気持ちはお前に分からへん。
当たらないねん……ひなのちゃんが。
「どうやったらひなのちゃん当たるんや?」
「大人買いしてくじ引けばええやん。」
「それはあかんねん。いいか、俺はひなのちゃん以外の子が俺の手元に来てひなのちゃんが喜ぶか?いいや、喜ばへん、他の子が当たって何が起きる、ひなのちゃんに失礼だってなるんだって。」
「交換とかお願いしたらいいちゃうの?」
「自分の力で当てなきゃあかんねん、ひなのちゃん以外の子は旅に出てもらってひなのちゃんが来るのを俺は正座して待つのが正義やと思うん。」
「だからその熱量を他のに向けろって言うの。」
呆れた口調で言われたんやけど。フロアの隅にあるベンチに座わり袋に入った状態のアクスタを触る。
「おひとり様2回のみ。今日はキタミツに助けを求めて手元に4個、本日打ち止め。今日こそ、今日こそひなのちゃんに会えますように。」
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2021年1月18日 20時