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「倉田さん何か食う?」


「え?いいんですか?」



「ええねん、夕飯食う気分で。」


「なら、ほっけ。」



「お、渋いね。」





勝手に注文して自分らの前だけ食い物に困らないようにして隣の席の子にも分けていると倉田さんが小声で俺に言うたん。




「有田先輩を名前で呼ぶんですか?」




「仕事以外な。」



「仲良しなんですか?」




「どうなんやろ、入社研修で一緒だったからそれで。」




「先輩も窓口だったんですか?」



「本店やなくて隣駅の窓口でビービー泣いてたん。倉田さんの最初は?」




「私は市役所後方事務で。」



「あー、そこも大変や。」



「ベテランさんが怖くて。」



「あるあるやん。」







思わず笑って言うと倉田さんは少し笑って言うたん。





「大倉さんの眼鏡は伊達眼鏡だって有田先輩が言ってたんですが本当なんですね。」




「おしゃべりやな。」




「先輩、よく大倉さんの話をしますよ。」



「なにそれ、悪口言ってへん?」




「言ってませんよ。」






枝豆をつまみながら話をしていると奥の席でヒートアップしている会話はあるあるトーク。





上下関係で気に入らないなのなんだの。




「どう思う?大倉!」




急に話を振られても正直知らんし。




「は?」




なんて返事をすると企画の奴が「ほら、大倉は出世コースだから。」とか言うねん。その言葉にキタミツが反応してグラスもって急ににんまり笑って言うんやけど、酔ってるから意味不明。





「俺は出世ちゃうで?ミスって飛ばされてるやん。」




グラスに入ったビールを飲み干してから次の注文しようとした時やった。




「あれは、先輩が悪いんだって。」





ユリカがむっとした口調で言うとその事知らない子はハテナマーク飛ばすわな。知ってる子は頷くん
やけど、今となっては過去の話。






「飲み会で話す事ちゃうで。」





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作者名:瀬奈 | 作成日時:2021年1月18日 20時

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