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「認めて欲しいなんて思ってへんし、助けて欲しいも思ってへん。あえて言うなら、社長さんや偉い人たちは俺のことをほっといて欲しい。」
「ほっとく？なんで？」
「助けて欲しい時期はとっくに過ぎているから。」
丸山さんの目は今にも泣きそうで泣かせたら怒られるんちゃうか？って、不安が増すんやけど間違いを口にはしてない。実際、俺の苦しい時期は18歳辺りまでで、そこを過ぎたら何とかなるって言うのを経験できたんだからほんまに今更。
俺は水やりをまた始めながら小声で言う。
「このままでいいですから。それより先生が大変だったんじゃないです？」
「きみくん？」
「憎まれ役を買って出て、結局何も持たずに帰ったから責めれらたんちゃうかなって。」
素直に頷く丸山さんを見て「申し訳ないことしたな。」なんて言うと首を左右に振って否定する。
「僕はきみくんが行ってくれたから良かった。もし、ダダや叔父さんが行ってたら忠義くんを傷つけるから。」
同じことを言うのは思う節があるからなのか？分からんけど、俺は「そっか。」と答えてから一度目を伏せてから丸山さんに告げた。
「丸山さんからも社長さんに伝えて。俺は俺で生きていきますので、なにも頼ることはしませんって。」
間違ったことは言ってない。
いろいろ言われても逆に困るし、俺的にはいきなり親が出来るのも不要だし。
「あ、呼ばれた。」
スマホを取り出して「もう！」文句を言いだしたよこの人。
「また来ます。」
だから、仕事は？なんて言うのも野暮な気がして言わずに「またね。」そう返事をした。丸山さんは周りに気を使い、いろいろな目で物事を見ている人なのかもしれない。彼の行動を見ていると、必ず顔を出して声をかけていく。やり手って言うのはほんまかもしれへん。
「ま、俺には関係ないからええんやけど。」
改めて口にしてから水やりの作業の続きを始めた。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
