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フェアリーさんの前にうまそうな定食が置かれるのを見て正直腹が鳴りかけた。俺、おにぎり2個とキャベツ。
酒飲みたいから仕方なし。
金目の煮つけ定食と肉じゃが
どっちか1つにしろやって思う俺の心はやばいやつ
会話が止まってから俺はテレビを見ていた。最近のテレビがあんまりわからなくてほんまぼーっと映像を見ているって感じなんやけど。
「大倉。」
また呼ばれて振り向くとフェアリーさんが肉じゃがを俺にわかるように指で合図する。
「食う？」
「なんで？」
「食えへんから。」
……ありがたく、頂きます！
即、箸を入れて煮込まれたジャガイモを一口。
「うまっっ。」
「ほんま美味そうに食うな。」
「美味しいもん。」
素直に言うとフェアリーさん笑いこらえているし。
そんなに変？
「社長も美味いものは美味いって食う人なんよ。」
「病院の理事なら理事長ちゃうの？」
「病院の薬局とか経営しているから社長。理事長はおばさんの方やねん。」
「やり手やな。」
「そうやな、社長はうちの親が言うには隆平が小さいときに、女と遊んでいたのは確かやけど。」
奇麗に平らげた肉じゃがを前に俺はハイボールを流し込んでから俺は小さく笑って言うたん。
「そもそもチカちゃんおらんから分からへんやん。」
「DNA鑑定とかするか？」
「鑑定したら何か起きる？」
「社長や理事が助けてはくれるんちゃうか？隆平も言うてただろ？」
「別にそんなの求めてへんし。」
「大変ちゃうのか？」
「大変でも、慣れたら大丈夫やって。」
お代わりをしたくてハイボールのグラスを上げようとした時やった。
「飲みすぎちゃうか？」
そう……急に言われた言葉。
「酔ってへんよ？」
「明日仕事に支障来るんちゃうん？」
「休み。」
「それでもあかんやろ？」
「大丈夫やって。シて来て結構頭が冴えているから。」
そんな言葉を言うと驚いた視線でこっちを見て「シてきた？」なんて言うん。それも、小声で。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
