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「ほんまは引継ぎして話をするんやけど、内容が内容で木村がずっと持っていたみたいやな。」
大倉は大きくため息をしてから言うた。
「質問されるとは思ってた。」
「分かってるんや。」
「そこそこの数はあるのは……まぁ。先生は見てへん？」
「俺は自分の仕事しに戻ったやんか。」
「熱で記憶ないし。」
「俺は、お前の毛を剃ったの見届けて戻った。」
俺は何を話しているんや？そう思いながら素直に言うと「見られ損やん。」コイツも何を言ってんだって思うてしまう。
「そんなにあるん？」
この質問は間違っているか？
間違っていないかは分からへん。
ただ、沢田先生がそこまで気にする数とするとなると、それなりにあるということ。
「数えてへんから分からへんけど、片手ではない。」
「結構な数やな。」
「好きであるわけちゃうし、」
「背中は自分ではできへんやろ？自分でするなら腕が多い。」
間違いでない言葉を言うと「そうやね。」大倉は素直に言うてから俺を見て言う。
「そもそもなんで先生がここに？」
「仮眠をとろう思うてフロアに来たら及川がおったから。」
「及川？あー、ミカちゃんか。」
「ほんまに知り合いなんやな。」
「1週間だけ寝かせてもらったん。」
「……はぁ？」
「家がなかった時に厄介になったん。」
「及川は知らんのか、その背中のは？」
「する時は電気消すから。」
「電気？」
「見せたくないって言うか、いろいろ質問されるの嫌いやねん。好きで傷あるわけちゃうし。」
電気消してまでもシたいって言う根性に驚くけどな。
「仮眠するのにここおったらあかんやん。早く寝に行った方がええよ？」
大倉はそう言うてベッドに転がって「それとここに寝る？」なんてふざけた言い方をしてきた。
「なんで？」
「言うてみただけ。」
笑って言う事ちゃうだろ？
「質問！大部屋って結構うるさい？」
「イビキとか、声がでかいとか結構苦情は多いみたいやで？小児科はまたちゃうから。」
「病棟によってちゃうんや。ここまで広いと落ち着かなくてさ。」
「その割にはよく寝てるやん。」
「やることないから寝る。で、この時間は寝れなくてスマホ見る。」
「あほやな。」
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
