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「女にプレゼントって必死やな。」
「ラウンジの子が欲しい言うんやからそりゃ買うやろ。」
「俺は買わへんから。」
「雇い主はそう言うケアはせんのか？」
「するけど、そう言うのは弟の仕事。」
「でた、あの無表情弟か。」
２人の会話が続いて行く中、私はどうしたらいいか分からず丸山くんを見ると同じような気持ちだったみたいで顔を見合わせて苦笑いしてしまう。
「あ、すまんな。釣りは小遣いな。」
「ほんまですか？ありがとうございます。」
丸山くんが小さい声で「よっしゃ。」なんて言ったと同時くらい……店の入り口に向かって手を上げ
たのは村上さんでない人。
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私だけじゃない。
丸山くんも時間が止まったように視線が同じ方向に向けられていく。
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「迷子か？」
笑って言う村上さんと言う人の言葉に反応して小さくため息をしてからする会話は聞こえないように注意をしているのかもしれないけど、私たちにはしっかり届いている。
「幼馴染に会いに行ってたん。あと高校の友達やったか。」
「高校？タツ、高校に行ってたん？」
「１年で中退や。」
「あ、例の件でか。」
「そう、あほのせいでアイツの人生は最悪や。」
吐き捨てた言葉
そして私は気が付いた
子供の写真
あの写真の片側に写っていた人だって今になって気が付いた。
人を避けて来た彼
足音が近づくにつれて丸山くんの声が聞こえた
「嘘やろ……」
思っている事は同じ
視線が向けられたのを感じたけどすぐに反らされたのがすぐに分かる
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月26日 17時
