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「どうした？」
ご機嫌な侯隆の手にはグラスでいい感じに酔っているって言うのは分かる。少し離れた席でプレゼントあげて喜ばせている信ちゃんを見てから「別に。」って答えてから空いたグラスを店員に渡して同じのを注文した。
「友達会ったんやろ？」
「まぁ。」
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「久しぶりでどうやった？」
目の前に置かれたグラスを一度見てから素直に言う言葉。
「いい友達だらけ。」
ほんまの事や。
「そりゃええ事や。」
肩を軽く叩いて侯隆は信ちゃんの席の方にいく。
結構な感じにお客さんもいて、繁盛しているんだなって感じるこの店で一度目を伏せてから俺はスマホを操作した。
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電話番号が変わってないのは知っている。
覚えている番号をタップし
妙な緊張の中で画面を見つめる。
繋がった瞬間のコール音
知らん番号だから出ないかもしれない。
数秒して画面の表示が変わる
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通話が出た事分かる画面
耳に当て
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言葉が出ない
どうすればいいか分からなくて無言でいると電話の相手の声が我慢していた気持ちを一瞬で壊す勢いやった。
『忠義でしょ？そうでしょ？』
「なんで分かるん？」
『分かるよ。』
返事ができないで俺は片手で口元を覆い黙り込む。
きっと騒がしい音楽は聞こえているんやと思う。
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きっと騒がしい声は聞こえているんやと思う。
口にしてはいけない言葉
口にしたらいけない言葉
口にしたら……
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「ごめん、ちょい出る。」
「は？どこに行くん？」
「会い忘れていた奴に連絡できたから。」
「ホテル戻ってくるんやで？明日は……」
侯隆の言葉を最後まで聞かへんかった。
でも、今は時間がないねん。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月26日 17時
