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「だから彼女は？」
章ちゃんは酒でも飲んでいるんですか？
そんな疑問を思うけど、苦笑いしかできへん。
「おらんよ。」
「え？なんで？」
なんでそこで北山が反応するんか分からへんけど、高校の時もこんな感じだった気がして「お前が反応するな。」なんて言うとぶーッと頬を膨らますし。
「出来へんねん、傷を見られてドン引きされる。」
きょとんとした顔でいるのは４人で俺は萌え袖ちゃうけど隠していた左腕を上げて見せると数秒の無言。
「コスプレしたらモテそうだと思わん？左手怪我した人とかなんかない、北山。」
「何かの漫画ありそうだよな。」
……ポジティブすぎるんだけど、山田と玉森。
「この火傷の痕位に日焼けしたらイケメン増さないか？」
「毎日通えばええと思うで、大倉。」
「章ちゃんまで。」
「もう、この際、シゲル○○ザキ越えよう、大倉なら出来る。」
加藤も章ちゃんも真面目に考えすぎちゃう？北山は相変わらずスマホで画像検索しているし。
ほんまこいつらが仲間で良かったってマジで思う。
泣きそ。
サングラスを外した時に章ちゃんがゆっくりと言う。
「僕ら……大倉がどうして中退したとか聞いてへんねん。」
「人から聞いたのはあるけど、それは色々なのが入り混じって正解か分からないし、俺らは信じてない。」
加藤はそう言うと、北山はスマホをポケットに入れてから「大倉の口から聞きたい。」なんて言う。
無言で頷いてから俺は一度深呼吸をしてから５人に向けて口にする。
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「オヤジを殺した。」
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静まり返っていく中できっとここの空気は薄くて息苦しいって感覚に陥っていく。
誰かの生唾を飲み込む音が聞こえそんな事があるのか？って皆が思っていくんだろう……
「なんで誰も突っ込まないねん。」
「え、そこツッコむところ？」
北山の気の抜けた声に４人も顔を見合わせて頷く。
「そんな俺が出来ると思う？」
「大倉は出来ないな。」
妙に納得して頷く玉森に「でしょ？」なんて言うとみんなが頷く。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月26日 17時
