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「あほ!!!!」
つい大声で言うとマルちゃんに「しー」とされた。
「あほやん、こいつ。すきっ腹に薬飲んだらそりゃおかしくなる。それも何個飲んだん?」
布団を頭までかぶって顔を見せないようにしている。
消えそうな声で言う数字にますます怒りが出てくる。
「あほ、あほ、あほー!!!」
「大倉言い過ぎやて。」
「横山くんはこれくらい言わんとまたします。聞いてんか??あほー!!」
また消えそうな声で『鬼』とかつぶやいた。
「あほが鬼とか言うな!!」
マルちゃんは苦笑いしだす。
長椅子にドカンと座って不満顔でベッドの人を睨みつけた。
「マルちゃんいなかったらもっと悪化してたんやから感謝せなあかん。」
「お、お父さんか大倉は?」
『こんなおとんはいらん。』
ぼそっと反応を返すし。
「あほは口答えすんな!!」
「大倉、かなり強気やな。」
「だいたい薬の規定量以上飲めばどないなるかわかるでしょうが。ほんまのあほや。」
『すんません。』
「まぁ、大倉来たから俺は帰る。しぶやんと信ちゃんには連絡しとく。」
マルちゃんはそういって病室から出て行った。
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布団から出てこようとしないよ……この人。
イライラした俺は布団を引っぺがした。
身体を丸くして顔を隠している。
「なんであんなことしたんです。ほんまにおかしくなるでしょうが!」
体が小刻みに震えながら横山くんは答えた。
「あの人がいたん。」
「いつです?」
「朝……部屋にいてな……」
なんて言った?
先輩がいた?
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年3月21日 20時