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『多分。』
マルちゃんのその言葉に俺はすぐに返事ができなくて無言になる。
『なんでここにいなきゃいけないとか言い出すし。顔つきも急に変わるし。そんなに酷いんかな？』
「いや・・・きっと・・・気持ちが凹んでいる……からじゃないか？」
『それならいいんだけど、いつもと違うからちょっと心配になるんよね。』
「どう違う？」
『僕的に怖くて。さっきまで話していたのを忘れるから、ちょっとふざけた返しをすると怒るし。今まで、なに言ってるんマル！とか笑っていたのに急に怒るって全力で怖くないです？』
「まぁ……そうよな。」
『僕だけに愛のムチしてるとか？』
「やばいやつ出てきたら今度はもっと意地悪されるで？」
『いやん、嫌いじゃないけど。』
マルが壊れてきたのは完全にいつもと調子が違うからだって言うのは俺だって分かる。
横山くんなのに、そこにいるのは横山くんじゃない気がする。
そんなもどかしい気持ち。
『治ってほしい。』
ぶぅって文句口調のマルちゃんを宥めてから俺はスマホを置いた。
明日まで俺は病院に行けない。
心配なのに行けないのはこんなに苦痛なんや。
ため息しかできなくて「困った。」なんて口にするけどなんも解決にはならないんだよな。
会うまで……何が起きていくのだろう……
そっちのほうが怖かった。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月21日 20時
