冬の刻-34 ページ44
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不意に胸元から出した小袋を見つめると、りょうさんは不思議そうな顔をする。
「これ、あの時貰ったのを今でも大切に持っていて、今は大事な宝物。」
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小袋の中から出したのは、あの時貰った透明な石。
貰った時は不格好な石がずっと持っていただけで丸くなったなんて不可思議でならない。りょうさんは手に取り光に当てる。
『あぁ……そう言う事か。』
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まるで何かを悟ったかのような言葉を言い俺に渡す。
『りゅうがこの先も守ってくれるから。』
「え……」
『お守りだって事。』
「お守り。」
『うん、りゅうらしい。』
なんて笑って言う言葉に石を小袋に入れて再度握り締めた。
りょうさんは小さく笑ってから「人になった俺でもわかるんやから力強すぎや。」なんて言葉にする。空を見上げてから小さく笑って彼はまた言う。
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『…………輪廻転生。どんな形で会うん?』
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まるで何かを告げているかのように……
季節は夏に向かっていく。
この先……戦が激しくなるなんて
誰が考えたんやろうな
時代に呑み込まれて俺もりょうさんも生きていく。
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冬の刻----終
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瀬奈(プロフ) - ミムラ様コメントありがとうございます。月詠記はあのまま置くのが一番と思い置かせていただきます。こちらは新たに書き足して進めていきますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2020年6月13日 16時) (レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - よかったです。世界観、書き表し方とても好きです。何度も読み返してます。消さないでほしいです。次も楽しみにしています。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 39731cc6b3 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。前のお話をもっともっと向き合いたくて、まずは最初から書いてます。ゆっくりあのお話に繋げていきますのでお待ちくださいね。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 良かった、前のお話凄く気になっててどうなるんかなぁって心配でした。有り難うございますゆっくり待ちます。 (2020年3月9日 7時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年3月3日 18時