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行きたかった場所。
前に横山くんが言っていた川。
そう、どでかい川。
隅田川
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自販機であったかいコーヒーを買ってベンチに座った。
それほど風もなく日差しもあって暖かい。
「あったか」
喉を通ったコーヒーが本当に暖かくて俺は妙にうなずいた。
「あんな小さい川でなく大きい川がいいしょ？」
そういうと横山くんは少し笑った。
会話はなかった。
ただ川を見て過ぎていく観光船を眺めてボーっとしていた。
どれくらい時間過ぎたんだろう？
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「な、大倉……」
それは横山くんから切り出した。
「オレな、もうずっとあの人の支配下におんねん。」
「え……」
「ヒナやニ ノも知らん。それはあの人が言うなって言うからなんやけどな。」
時計のある手首に触れて
横山くんは言う。
「オレ……汚れてん。」
時計をはずし手首をさする。
「オレ……やられてん。」
「え……」
言葉が返せなかった。
聞こえた言葉をすべて否定したかった。
そんな酷いこと？
そんな悪夢を？
横山くんは淡々と語る。
俺の知らない地獄。
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「最低やろ？」
ふぅ。
そう息を吐き出して空を見上げた。
「あかんよなぁ……はよ抜け出さんと。」
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言葉はすぐに出なかった。
ただ、今できること……
物凄い目立つことはわかっていた。
ここで観光船が来たら冷やかしもされることもわかっていた。
でも、
でも、
俺は言葉で返せなかったから行動でしてしまった。
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「お……大倉……」
抱きしめていた。
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瀬奈(プロフ) - ゆうみ様 コメントありがとうございます。過去の作品ですが喜んでいただけて嬉しいです。のんびりですがこれからもよろしくお願いいたします。 (2020年3月5日 22時) (
レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 初めまして！こういうお話が読みたかったので巡り合えて嬉しいです！更新楽しみにしてますので頑張ってください！！ (2020年3月5日 15時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年2月22日 11時
