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消えてしまいそう。
それが俺の気持ちだった。
すり抜けていく
指の隙間から水が零れ落ちていくような
砂がサラサラとこぼれていくような
そんな感じだった。
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電話に出た横山くんは俺に背を向けていた。
何を話しているかなんて思わない。
ただ、もう少し一緒にいたい。
それが俺の気持ちだった。
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「あかん……戻らんと。」
「戻ってますやん。」
「もっと早く来いって。まさか家に来ていると思わんかった。」
電話をポケットに入れ横山くんはサングラスをした。
「ありがと。」
「横山くん。」
「とりあえず……大倉のタクシー探さんとあかんな。」
「横山くんはどうすんです？」
「いや……大丈夫。」
「え？？」
「ここまで来るって。位置情報サービス使ってん。だから、はよ……大倉タクシー乗せんと。」
横山くんは少し先止まっていた空車タクシーに合図した。
「はよ行け。」
「横山くん。」
「オレのみじめな姿見せたくないねん。」
「で、でも。」
「大丈夫やって、来週の収録には問題なくいくって。」
そうじゃない。
俺はそんなことを聞きたいんじゃない。
タクシーのドアが開き
俺を押し入れてタクシーの運ちゃんに『ドア閉めて進んで」と無茶なお願いをしてその場から離れさせられた。
横山くんの姿を確認できなくなったそれから少しスマホが反応した。
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『ありがと、大倉』
短いメッセージ。
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妙な胸騒ぎがずっとしていた。
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瀬奈(プロフ) - ゆうみ様 コメントありがとうございます。過去の作品ですが喜んでいただけて嬉しいです。のんびりですがこれからもよろしくお願いいたします。 (2020年3月5日 22時) (
レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 初めまして！こういうお話が読みたかったので巡り合えて嬉しいです！更新楽しみにしてますので頑張ってください！！ (2020年3月5日 15時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年2月22日 11時
