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打ち込みが終わって、今度は俺がパソコン画面見て、中島がオーダー表を確認していく。
「キタミツ、店長呼んできて。」
いつの間に戻って隅っこの椅子でこっちの様子をうかがっていたキタミツを使う。
注文がいい感じに入ってホクホク顔の店長に俺は現実を突きつける。
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『作れません、ごめんなさい、返金します』
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それだけは避けたいから勝手に話を勧めた以上、責任問題は俺やなくて店長とチーフやってことを言わなあかん。
それで分かってもらえないなら……
辞めてもええ
そんな気持ちでいた。
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店を出たのは21時近く。
5時間近く話し合った。
正直今回の件は納得いかなかった。
今まではなかった行動に出た店長もチーフも嫌いやないけど、作るのは俺や。
投げたらどうすん？
客に土下座して許してもらえる？
今のご時世でそんな甘い考えで済むわけないって気が付かんのか？
考えが甘いねん。
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寒くてマフラーを首元までしっかりして地下鉄に向かおうとした時やった。
クラクションが聞こえ振り向くと、後部座席から降りてきたのは……兄貴、まーちゃんやった。
「なんでここにおるん？」
「昨日からこっちに来ていてな。スマホ鳴らしても返事ないから来ちゃった。」
「ちょい店でトラブルがあってな。」
「大変やなあ、仕事のできない上司の下にいるのって。」
「なにが言いたいん？」
「こっちの話。」
はよ帰りたくて俺は小さく舌打ちをしてからまーちゃんを見て言う。
「帰ってええか？」
「彼が過去を探そうとしている。」
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急に言われた言葉に俺の身体が強張る。
「彼……」
「丸山くん、つい先日……生田に会っていたな。3年前のお前との関係を確認していたって。」
忘れろ……そう、言うたはずなのに
何で動くん？
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「監視してんの？隆平を？」
「過去を思い出されたら困るのは……忠義だからな。」
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年12月3日 18時
