リボン (ページ33)

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営業3名は一度会社に戻ると言うので、僕は地下鉄で帰ると伝え別れた。

改札を通りホームに着いてすぐに気が付いた。

さっきタクシー乗ったはずの人が地下鉄にいる。

反対側のホームで怠そうにネクタイを緩めてからスマホを見ている。

僕は黙って見つめていくと視線が合い
動けなくなる。

彼が会釈をする姿

妙な胸騒ぎが続く

ホームに電車が来ると聞こえた時

視線を外すことができなくて何かを言いたいと頭の中で思うのに言葉が出ない

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もどかしい

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苦しい

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辛い

何度も何度もそんな感覚が僕を襲う

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----俺が嫌いだって！

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彼の声が頭に残っている

彼が視線を反らし電車に視線を向ける

なんでだろう

僕の足が動く
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それは……
僕の意志だったのか

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奥底にある記憶がそうさせたのか分からない

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人の流れに逆らって

ホームにたどり着くと同時に『ドアが閉まります、ご注意ください』そうアナウンスが聞こえ周りを見ていくけど彼の姿は見えない。

もう乗ってしまった？

僕は車内を見ながら歩いて行く。

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彼に会わなきゃいけない

大倉さんに

会わなきゃいけない

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そう……もう一人の僕が言う

ドアが閉まり、ホームドアが閉まった瞬間だった

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