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「丸山主任、確認お願いします。」
世間はペーパーレス化と言ってるのにどうしてもこの手の会社は印鑑が必要だから一度印刷をして取り込んで保存と言う2度手間作業をしていく。
僕は矛盾してる。って、思ってしまう。
でも、複数チェックには必要なのかもしれん。扱っているものが扱っているモノだけに。
シャーペンでチェックをしていく中で大阪から来た確認資料に添付されていた別紙を見ていく。
「え？まじで？」
僕の小声でつぶやいた言葉に目の前に座っているシゲちゃんは小声で教えてくれた。
「やっと会えたんだって。」
「ここってあれよな、地銀の関係が強くてこっちは役職者が馳せ参じても酷い扱いしていたのに今回は専務に会えたってなに？」
僕の言葉にシゲちゃんはメモにこそっと書いたのは意外な言葉だった。
「嘘やろ。」
そう、そこに書かれていたのは……
【弟にアドバイスされた】
意外な言葉やった。シゲちゃんは僕の隣の椅子に座ってノートPCを見ながら話をしてきた。
「意外でしょ？」
「意外も意外だって。挨拶に行っても相手にされなかったあの会社じゃないですか。横山くん凹んで帰ってきた会社ですよ。」
「弟の存在がでかい。」
「弟？え？専務の下にいるん？会社にいます？」
報告書見ても、添付された会社の情報を見ても一切そのことは書かれてない。
「会社にはいない隠し玉みたな存在がいたんだって。」
「誰情報です？」
「櫻井さん情報。」
ゆうちんの上司や。そりゃ……確実な情報だ。
「でも、シゲちゃんもすごい情報聞いてきましたね。」
「櫻井さんにマルに決済お願いしますって両手合わして頼み込まれたんだもん。」
ちらっと最後のページにある紙の金額を見て……いつもより高いっ。
「あ……あぁ、この金額ですね。」
いつもより5万越えているって絶対ダメって言ってるのにもう〜。
「隠し玉の存在気になる。」
「何でシゲちゃんが。」
「だってさ、弟の一声でそこまで変わる専務だよ？どんな人か見たいじゃん。あれかな、かわいい子供かな？」
「子供がアドバイスします？」
「じゃあ高校生？大学生？」
にんまり笑って言うシゲちゃんはほんまに楽しそうで、席に戻ってまた仕事を開始する。
確かに……気になるって言ったら気になる。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年12月3日 18時
