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「これ、うまいやつやん！○○○ショップのクッキーって人気アイテムを買ってきたな。出張で行っても並んで買うって出来へんからありがたい。」
ご機嫌な口調でソファーに座って食う兄貴１のまーちゃんは副社長。
「このマカロン、ほんまに忠義が作ったん？」
感心した顔で口にほおばる兄貴２のひーくんは専務。
ごあいさつで先に配ってきて残ったのを家の分にして皿に残ったのをここに置いたら即食う兄貴2名。
「オヤジの分残しておかないとボコられるで。」
「意外と甘党なんよね、社長。」
笑いながら言うけど、おたくら2名もそこそこ甘党ですけどね？いうのを我慢して置かれた書類を眺めていく。色々能書きが書いてあるけど、結果は次の出店先の説明。ポケットから煙草を出して吸い始めるとまーちゃんは笑って2枚目のクッキーを食べながら言う。
「今度の出店計画だけど気が乗らなくてな。」
「なんか魅力感じないやん。急にどうしたん？方向転換？」
「忠義もそう思ってるで、専務。」
「マジ？結構いいと思うけどな。」
ひーくんもマカロン3個目を手に取りながら言う。
どうでもええけど……食い過ぎや、兄ちゃんたち。
「関東に出店するなら目立つ事せんより、口コミ大事だって。店にいてほんま思うねん、ネットで書かれることで人が来るってマジに思う。」
「さすが！もうさ、パティシエ辞めて戻って来いって。」
「嫌や。俺はパティシエ頑張りたいの。」
煙草を吸いながら言う言葉に2人は顔を見合わせて「もったいねー」とか言いだすし。まーちゃんの考えはマジに分からへん。
灰を落とした時にひーくんは俺の顔を見てにっこり笑って頷く。
「忠義は最近どうなん？」
「なにが？」
「気になった人とか出来たから帰って来なかったんだろ？」
急に言われた言葉に俺は視線だけ逸らす
「おらんて。仕事が忙しいねん。」
俺の言葉は感情が入ってないと思う。
まーちゃんの視線が痛いほど突き刺さってくる。
ブラコンすぎちゃう？
「今の店は何年目？」
「んー？CALVAは3年目。」
「いい勉強してるやん。」
ひーくんはそう言うて4個目食うてる……マカロン。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年12月3日 18時
