ＩＭＩＴＡＴＩＯＮ ＤＲＥＡＭ

J.A.R　1 --ＰＡＤＤＬＥ ページ45

.

「意外と・・・完璧主義なんやな。」


「誰に似たん？考古学者の方？」



真顔で言うのは料理人とその彼氏で僕は額に汗をかいてむっとしてしまう。


「相手は・・・プロです。油断は禁物。」


「いや、その手のプロじゃないからな。それでもうまいと思うんやけど。」


「・・・ちゃんとしたいじゃないですか、忠義の誕生日だし。」



僕の頭の中はそれでいっぱいだった。




夫婦のような関係になって初めての誕生日くらい・・・いい記念にしたいって思うのは僕のエゴなんですか？



「信五さんは横山さんに何を上げたんですか？こないだ誕生日ですよね？」






いきなり振られた2人はフリーズして、モジモジしたのは横山さんでなく・・・信五さんでそれがかわいいって顔を真っ赤にしている横山さんがスマホ取り出して写真撮ってる。









え？ナニコレ？







.






「コホンっ、信五からもらったのは・・・」






僕がいる事に気が付いて慌てて咳払いしているし。





「これです。」




にんまり笑って指を差してのは時計。




「うわぁぁぁぁぁぁ、ヨコ、恥ずかしいからぁぁぁぁぁぁ。」



・・・物凄い信五さんの動揺ぶり




あの料理人がこんなになるんだから、相当恥ずかしいんやな？





「大倉さんにはこういう使い勝手の言いのがいいんじゃないですかね？」




照れまくっている人を無視して僕に教えていく横山さん。




「忠義の使い勝手・・・・あの、フィギア専用のボンドとかですか？」





「社長、それは無意味です。」






「でも使いますよね。」






「使い終わったら意味ないですよ。」






「それは困る。」



僕は唸って、本気で考えていく。



「お、いい感じの甘さやな。」



相手にされない信五さんが急に僕の作ったケーキを食べ始める。




信五さんの部屋は本当に何でもそろっていて、ここで横山さんのご飯を作っているのかと改めて見ると尊敬してしまう。





「時計はあまりしないし、まさかのパンツ？」



「それは、いつでも買えますよ。」



「難しい・・・」



真剣に悩み始めると横山さんまで唸っていく。





.

J.A.R 2 --ＰＡＤＤＬＥ→←僕と彼の話-4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す