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「村上くん、ほんま好きやな。」
「男は遣ってなんぼ。」
彼女作ればええだけちゃう？
地下に降りる階段、通い慣れた店のドアを開ける店員が挨拶してくる。
訪問合間で時間作ってきた店はそれなりの店で村上くんは既に片手以上通っている。
ラムちゃん意外にいい子見つけたらそっち行くフットワークが軽いんか飽きっぽいのか分からへ
ん。
慣れたように言って隣の部屋を案内されるとそこがホンマの受付。
ガタイのいい店員と……錦戸くんがそこにいた。
「い……いらっしゃい。」
むっちゃ動揺しているけど俺は何もないように対応していく。村上くんのお気に入りはさーやちゃん。本日の出勤を見つけてガタイのいい店員に話を付けているし。
「なんや、選んでやろうか？」
「なんで俺の好きそうな子を当てていくの止めてや。」
「大倉の事把握しているの会社で俺くらいやろ？下半身事情も把握できてるしな。」
「ストーカか、ほんまに。」
置かれたファイルを捲りながら受付に向かって「口の堅い子がええ。」なんて言うと錦戸くんが慌ててファイルを捲っていく。
「口の堅い……ですか？」
「そうそう、大倉の入れてるのペラペラ話さんやつな。」
「シてるときやたらと話さない子。」
錦戸くんはあるページを開いて「この子は？」なんて言う。
見たことない子だけど……章大を思い出す
中学の文化祭でこんな格好して喝采浴びているのを二階の部屋から見た記憶
あほや、あの頃の俺は
「この子でええ。」
ファイルを錦戸くんに渡すとすぐに頷いて受付に行く
財布から金を出して村上くんと待ち合わせを決めて奥のドアを開け進んでいく。
「大倉さん。」
急に声をかけられ振り向くと錦戸くんが一度頭下げてから近くに来た
「は……ハンカチ借りたまんまで。」
「別に大丈夫やって。」
「でも、高いっしょ……ブランド名あったし。」
「お返しでもらったもんだから気にするな。捨ててもええし、自分が使ってもええ。」
「……いいんですか？」
「気にしすぎ。」
俺は軽く……錦戸くんの頭を撫でて「じゃあ。」と言うて指定された部屋に入った。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
