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亮から横山さんの結婚の話を聞いて、僕らのバンドがお祝いの余興で演奏する話が決まった。
なんだかしっくりこないのは僕だけでなく、亮も同じでスマホを操作しながら口をとがらせて言う。
「大倉さんと仲良かったやん。」
「そうやな、一緒に来てくれたもんな。」
「だから、そう言う関係なんかなってずっと俺は思ってたんよ。でも、あのイベント終わってしばらくしたらさ、横山くん……大倉さんの話をするの嫌がりだしてさ。俺が酒一緒に飲みたい言うて
も却下されて。」
僕は煙草を吸いながら亮の話を聞いていく。
僕も忠義の相手は横山さんだと思っていたから意外過ぎて言葉にならない。
「余興言うても何演奏するん？」
「もう、考えたくもないのに。」
「試験中やん……2次会。」
「それな、ほんまそれがネック。何でもええと思うけど……祝いたくねぇ。」
スマホを置いてため息をする亮を見て僕は苦笑いしかできへん。
「○ずでええか。」
「もう、それでええと思う。ホンマに、横山くんの女を見るセンスなさすぎやわ。」
煙草の灰を落としたくらいに、亮も煙草を吸い始める。
校舎の隅の喫煙所にいるのは僕と亮だけやし。
「結婚する相手、横山くんの高校の時の元カノ、復縁3回目で結婚なったんよ。」
「え？2回も？」
「1回目は彼女の二股バレて、2回目は仕事馬鹿にして、で今回ってわけわからん。」
いやいや、その女……やばいんちゃうの？
仕事馬鹿にしたら終わりやろ。亮はまたスマホを取って操作を開始する。
「誰と話しているん。さっきから必死に返事返しているけど。」
「……大倉さん。」
「は？」
「大倉さんと話している。会ってくれへんけど、話しはしてくれてるん。」
「アドレスは？どうやって？」
「横山くんのスマホを拝借してアドレス盗んだ。」
「マジで。」
「絶対教えてくれへんもん、あの人。」
いや……僕的にその行動にびっくりやけど、忠義が返事返してきている方がマジびっくりなんだけど。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
