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新しい時計は結構いい値段やった。
前に使っていたお揃いの時計を売ってそれを資金にしたからええんやけど。
指輪も2個でいい値段なったからそれを元手にして新しいのを買って、余った金でピアスを買った。
「ほんま、自分の好きな事しとるな。」
「村上くんに言われたないは。ラムちゃんとデートしているくせに。」
「金かかるねん。」
「知らんし、そこは。」
車のハンドルを操作しながら言うと村上くんはにんまり笑って缶珈琲を飲んで言う。
「何があったんや？」
「特に何にも。」
その言葉に村上くんは笑って俺を見て言う。
「お前も遊び相手見つけた方がええで？」
「何それ。」
「この先……しんどいの増えるから言うてんねん。」
信号待ちで眉間に皺を寄せて村上くんを見るとため息をした。
「今はうまく話が進んでいるけど、しんどい事が必ず起きる。俺もそれがしんどくて……まぁ、考えておけ。」
その言葉の意味はすぐに俺は分かるなんて考えもしなかった。
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会社の倒産なんて新聞くらいの世界だと思っていたが自分らが行く会社で起き、おまけに不渡り出して地獄のような状況を見ていく。
危険な会社から金借りて大変な状況になっていくその現場を見るしかできない。
自分らも回収しなければいけないから余計にしんどい。
何度も頭下げられても回収しなければ俺らも終わってしまう。
しんどい状況って……こういう嫌な部分の事なんや
頭を下げていく人を見て俺は冷静に対応しなきゃあかん
心を鬼にして……
これが正解やって言い聞かせて
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「お前のような中途半端なヤツにこの仕事の大変さなんか分からない！」
顔を真っ赤にして言う言葉
相手は怒り狂って俺らに言う
資金繰り失敗したのはお前やん
なんで……そんなお前に
中途半端言われなあかんねん！
何を……お前に……
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
