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「吐きそ。」
俺の言葉に村上くんは大笑いして栄養ドリンクをくれた。
一気飲みしてゴミ箱に捨ててから運転席に座る。
「引っ越し祝いはなにがええ？」
「酒。」
「ほんま飲むな。」
「酒が友達っすから。」
俺は煙草を銜えてすぐにエンジンをかけた。
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オヤジとオカンに話したらむっちゃ悲しい顔をされた。
横山くんを信頼していたオヤジは呆然としていたし、オカンは黙り込んだ。
自分の子供にそんな事を言われたらそりゃそうなるよな。
慰めの言葉も正直欲しくなかったから俺は引っ越す話だけをして実家を出た。
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マルは横山くんの出て行くのを見ていたみたいで、家を出るって言うても止める事はなかった。
車も必要ないから売って、バイクを買って……会社から駅3つ目のどこにでもある１Rマンションに引っ越した。
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毎晩、飲んで酔って寝れば嫌な事も忘れて最強な毎日。
シたい気持ちが全く失せて……医者にもほんまは行きたくなかった。
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行かなきゃ……自分の身体に異変が始まる。
仕方なくいく。
中途半端な身体を維持するため通い続けなきゃあかん。
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「大倉、飲みすぎちゃう？」
マルに言われて自分が今日も相当飲んでいる事に気が付いた。週3日この店に来ている自分、ほかの店を開拓する気がないのがあかんねん。
「あ……ほんまやね。」
「休肝日してます？」
「してへん。」
「そのうち、お腹ピーピーなりますから。」
むっとした口調で言われ俺は煙草を銜えて笑ってしまう。
「腹は前からピーピーや。」
「もう、お酒飲むならうまく付き合えや。」
呆れた口調で言われ俺は「そうやね。」って答えるしかできへん。
「会計。」
「……大丈夫なん？」
「ここからすぐやん。」
「まぁ、そうやけど。」
いつも通り金を払ってから煙草を消して店を出ていく。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
