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「大倉。出かけれるか？」
「あ、はい。」
書類を鞄に入れて先輩の後ろに付いて行く。倉庫の段ボールをもって、社用車に詰め込んで専用になっている車のカギを開けエンジンをかけると助手席に先輩が座る。
指示された現場に顔を出して、企業に顔出しを繰り返す。
カーナビに今日行く場所のルートを登録していく先輩は煙草を吸いながら鞄から缶コーヒーを出していつものように置いて合図をしてきてから車を出す。
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「昨日の姉ちゃんの店は終わっていたな。」
「村上くんがチョイスしたんじゃないんです？」
「俺じゃないし。あれは課長。」
「課長に教えてあげたらええじゃないですか、お気に入りのラムちゃんのいる店。」
「あ？あかんあかん、俺のお気に入りの店が減ったら困る。」
いい笑顔で言われても俺はあのラムちゃんは好きになれへん。やっぱり顔も大事やけど、胸も大事やって思うんよな。缶コーヒーのプルトップを片手で開けていつも通りに目的場所に向かって走って行く。
「大倉は気に入った店は出来て来たか？」
「ないっすよ。開拓する暇ないんで。」
「はよしないとあかんで？そのうち『飲みに行くぞ』とか真顔であの人たち言うてくるから。」
「勘弁してほしっすね、それ。」
「しがない業界の接待よな。」
深いため息して村上くんは外に向かって紫煙を吐き出すと、ハンドルを握りながら俺は眼鏡の奥から見える景色を眺めながら運転をしていく。
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2年目はいる時に一緒に入った人間がふるいにかけられる
中途も新卒も同じスタートラインで50人
頭下げる事がどこまでできるか上が一緒に歩いて見極めて俺が配置されたのは結局、営業になった
頭を下げる事は変わらへん
前は現場が多かったけど、今は会社でも頭は下げる
この業界は人手不足
自分らの社員にさせるのだから変な仕事を落としたくない。
営業は対会社の様子を見極めて行かなあかんし、相手は仕事してほしいから……醜いってほんま思う
現場経験していた経験値で営業に来て、先方が言う納期がまともか確認作業。
紙ベースも読み解かなきゃあかんから人よりしんどい
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
