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「この順番のクジ運……なに？」
僕の疑問に亮は大笑いして「最強やんか。」なんて言うけど、ありえへん。
最終日のラストに自分達って
そこは先輩が引くべきやんって思うけど、そんな先輩が初日の一番最初とか。
「先輩のクジ運のなさに感動。」
「いや、最高だと思う。」
亮のその言葉に結構バカにしていると思ったが口にはしない。
ライブ前日まではみんな笑って入れたけど、当日なんてやばいって思った。
桐山はむっちゃ眉間に皺を寄せているし、藤井なんてガッチガチやし中間なんてやたらと指動かしているし。そうなるに決まっているやん……僕らの大学から出演するのは３つで残りは他校でほぼアウェー状態なんやし。
まさかの状況よな、
「亮はむっちゃ嬉しそうやけど、どうしたん？」
「先輩呼んだんよ。」
意外な言葉に僕らは驚いた顔をしてしまう。
「亮の先輩って……」
「高校の先輩、大学来た時からちょくちょく会っていた人でさ。イベントで出演するって言うたら……あかん、むっっちゃ嬉しい。」
両頬押さえてブンブン顔を動かして……いつもと様子が違うからみんながちょっとビビるし。
「その先輩のツレがむっちゃかっこええんよ。」
「先輩の？」
「リーマン何やけど、なんていうか仕事できるってオーラでさ。」
「そうなんや。」
「同い年でそれってすごくね？」
確かにそうや……僕らは大学で勉強している合間に働いているんやもん。
僕はその話を聞きながら煙草を吸い始めると亮はスマホを確認しているし。
珍しくかわいい所があるんやなって真面目に思う。
「サヤカも来るんだろ？」
僕は苦笑いをして言う。
「来る……でも、楽屋は終わってからにしてくれ言うたん。周りがピリピリ状態の中で来られたら偉い迷惑やって。」
「まぁ、それはあるな。俺等だけやないし楽屋おるの。」
時間だけが過ぎていき、チューイングを終えてそろそろ出番だってなった時に亮がスマホを見てガッツポーズしている。そのかっこええ人が来たって事か。
どんな人か僕は拝んでみよう、そう思ってギターを手にして準備に入った。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2019年5月22日 17時
