レジレコ短編物語 Part4

Story of ミケ　【♪Mosaic】 ページ8

「私はこの世の中を、国民の皆様のために住みよい世の中に・・・」

聞き飽きたせりふに嫌気が差してテレビを消した。

この世界は何なんだろう。

上辺ではきれいごとを並べ立てるくせに、結局全部己の【欲望】のためなんでしょ？

そういえば昨日、午前０時をすぎたぐらいにファミレスに行ったらね。

子どもが居たんだ、小学生ぐらいかな。母親と一緒に。

学校で居眠りしてたら先生に怒られたんだーって子どもは冗談交じりに笑ってる。

でもその子の母親を見てるとどうだろう。

「どうして○○ちゃんを！？先生の教育がいけないのね、可哀想に・・・」

真顔で、子どもには何も非が無いかのようにしれっとしてる。

・・・僕が夢を見すぎていたのかな。

現実ってこんなにも醜くて、自己中心的で欲望にまみれているんだ。

見た目はいい奴を装って近づく、でも中は何を考えてるか分からない。

それが大人さ、大人が増えたからこの世界は黒で満ちてしまったんだ。

それならいっそ、僕は心を閉ざして自分が正しいと思う事だけ信じてみようか。

何も見たくない、外側の世界の事なんて知りたくも無い。

僕だけの蒼い世界を信じていたい・・・

そう思い、僕は今日も自分の心にモザイクをかける。

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