キセキ223 ページ18
最終日
閉会式、といっても簡単なものだが、それを終えて各校が帰宅準備をする中
日陰に腰を下ろした白凪は上の空で中空を見つめていた
先日の体育館での出来事以来
白凪は口を閉ざすことが多くなった
他校と距離を置いた
必要最低限は話さないように、それでも声をかけられれば愛想よく対応するようには心がけているようだったが
あの後
話を聞いた面々は、それぞれで思うことがあったのだろうが
あまり深く聞くことは無かった
過去のことは白凪自身があのあとに
キセキの世代には話したと言った
親のこと
ミニバス時代のこと
それで、確かにほとんど確執はなくなったのだろう
A「はぁ…」
気疲れかな
ため息をついて、白凪はゆっくりとエナメルバッグを肩にかけて立ち上がった
花宮は一応代表として
各校の監督に挨拶をしているし、山崎は相変わらず瀬戸の世話を焼いている
と思ったが、なにやら盛り上がっているのを見て、白凪が首を傾げた
A「…先輩、何やって「っし、買い出しは瀬戸と原に決まりだな!」…?」
古橋「ああ、A。どうだ、落ち着いたか?」
意味わからないと思いつつ近付けば
白凪に気付いた古橋が声をかけてきた
A「えぇ、まあ。
で、何?買い出し?」
山崎「おう、今日泊まるって話してたろ。
ドリアとサラダ、それからコーンスープの材料買い出しを決めてたんだよ」
A「ああ、それで瀬戸先輩と原先輩がじゃんけん負けたんですね」
原「あー、俺もAの家でのんびりしたかったのになぁ。
ついてない!瀬戸ちゃんとなんて、いくら時間あっても足りないじゃん!」
ぶう垂れる原にくすくすと笑いながら、ついて行きましょうか?と問いかける白凪に
原は大丈夫と答える
原「Aは、おかえりって言ってくれればいいよ」
瀬戸「それで、美味しいご飯作ってよ」
それにきょとんとした白凪は
すぐに笑って頷いた
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作者名:琉月 | 作成日時:2018年8月24日 12時