なぜか懐かれた【羽生結弦】 (ページ16)

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美琴side

ゆづから結婚を前提に付き合って欲しいと言われた
同じ気持ちだったことが嬉しくて頷きたかった

『自信、ないんだよな。』

誰かのために頑張ることって素敵だと思う
自分が自立出来るまで保留にさせてもらおうと考えていた

『はぁ…』

それが4年前の今日までの考え方だった
今はもう親元から離れ、東京で仕事をしていた。
憧れだった音楽に携われる仕事
専門学校を出て、ようやく見つけた仕事先は条件良くて人当たりが良くて最高なものだった。

「ね、飲み会行こーよ！！飲み会！」

『ごめん、お酒飲めない。』

同僚に飲み会誘われたがこの子は飲むとヤバい
だから断るようにしているし、絶対に仕事先でお酒は飲まないようにしている。

「そーだっけ？それなら仕方ないなぁ」

飲める同僚と行くみたいだ
私は1人で家に帰ることにした

『あ、家なんもない……スーパー行こ。』

なるべく自炊をしている
自分しか食べないから味は気にしていない

『取り敢えずテキトーに』

冷蔵庫になかったものを思い浮かべながらテキトーに籠の中に入れていく

〈羽生結弦！！2連覇！〉

どこからかアナウンサーの声が聞こえた

『2連覇、凄いなぁ。』

もう私の事なんて…と思いながら声がした方を見上げれば、私があのときにゆづにあげたブレスレットを触っていた。

『へ…？』

でも何かの気の所為だと、思いながら家に向かった。
ゆづが婚約者いても返事はすると言った

『ッ…』

約束は守らなくちゃ、とLINEを開きゆづに連絡した。
すると仕事で東京にいるらしいゆづは終わってからまた連絡するからそれまで家に待ってるようにと言われた

『よし、』

気分的にチャーハンだったから、チャーハンを多めに作って冷蔵庫にしまった。そしたら良いタイミングで連絡が来た

〈終わったよ〉

〈俺がそっち行くから家から出ないで？〉

〈住所、教えて欲しい。〉

親にも住所を伝えていないのに…
だけど、ゆづだから。

『仕方ないなぁ…』

まぁ呼んだの私だから、住所を伝えた。

〈今いるところと結構近い、走って向かうからすぐだよ。〉

走ってくるの可愛いか
５分ぐらいでチャイムが鳴った

『はーい』

「やっほ、久しぶり。」

ドアを開ければ息を整えてるゆづが立っていた

『久しぶり〜！忙しいのにごめんね？』

「んーん、会いたかったから走ってきちゃった。」

えへへ、と笑う彼は本当に可愛かった。