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戸惑って、はいと返事をしたからには行くしかない。
ベランダにずっと居る訳にもいかないし、自分の部屋に入る。
いきなり言われたから持っていけるようなものは何もないし、少しの貴重品だけ持ってアパートの廊下に出る。
自分の家にガチャリと鍵をかけて隣の家のドアの前で深呼吸をする。
チャイムを押そうとした腕を伸ばしたらドアが開いて、うわあっと情けない声が出てしまった。
「おっと大丈夫？」
「大丈夫です」
変な声は出るし、濱田さんが目の前に居るしで顔が赤くなって舌を向く。
そんな俺を見てか、くすりと笑ってどうぞと中に通される。
隣の部屋だから間取りはあまり変わらないけれど、俺の部屋より家具はシンプルだし、綺麗に片付けられていた。
いつもの煙草の匂いとはまた違う香りがして落ち着かない。
「そこら辺座っててな」
そう言って濱田さんはキッチンの方に行った。
言われた通りテーブルの近くに座ったものの何もすることがなくて、きょろきょろとしてしまう。
俺の部屋は物が多いから、見比べてしまって、やっぱ違うなあ、遠いなあと思う。
くるりと一周見渡してキッチンの方を向いたら濱田さんがマグカップを持ってこちらに来た。
「見ても何も面白くないやろ」
「あ、えっと、嫌でした？」
「全然、見てもええよ」
コトンと置かれたマグカップはコーヒーで、俺のはカフェオレになっていた。
「有難うございます」
俺がブラック駄目なの覚えててくれたんかなぁ、少し嬉しくて頬が緩む。
濱田さんはブラックコーヒーを何食わぬ顔で飲んでいて、ちょっとチャレンジしようかなと思ったり。
「強引に誘ってしまってごめんな」
「いえ、そんなことないです」
「何か、顔が見えるの変な感じやな」
少し目を逸らしてそんなことを言うから、ふふっと笑みが零れる。
「そうですね」
そう答えたら濱田さんの頬が緩んだ。
いつもと違う一面が見れたから、今日はいい日やな。
普段あまり飲まないコーヒーも背伸びをしているみたいで、少し変な感じ。
「煙草吸うかって誘ったけど、ほんまに吸うかは自分で決めてええからな」
ぽんっとこの話を出すあたり気にしてたんやろうか。
まあでも今日はちょっと背伸びしたい気分やから、
「濱田さんがええなら」
そう言ったら、じゃあ外出ようかとベランダの方に連れ出された。
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零(プロフ) - 蘭芽さん» 返信遅くなりましたが、コメントありがとうございます。分かりやすくガツガツ行くようなイメージではなかったのでこのような作品になりました。そう言ってもらえて嬉しいです。 (2018年12月30日 16時) (
レス) id: ea67087d27 (このIDを非表示/違反報告)
蘭芽(プロフ) - ありがとうございました。両片思いなのが良いですね。イチャイチャラブラブすんじゃなくて落ち着いた恋ってばどさんにピッタリだと思います。 (2018年12月8日 16時) (レス) id: 568cceb099 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - はるさん» リクエストありがとうございます。人気CPですねー、考えてみます。 (2018年10月21日 22時) (レス) id: 2f1a09272c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - リクエスト失礼します。青×緑でリアル設定のお話が見たいです。よろしくお願いします。 (2018年10月21日 21時) (レス) id: d6652bb1f2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いちご18さん» リクエストありがとうございます。考えてみますね。 (2018年10月20日 19時) (レス) id: 2f1a09272c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零 | 作成日時：2018年9月30日 17時
