夏、煙に誘われて 紫緑 ページ22
一般人パロ、年齢操作有
前回の続きになっています。
お誕生日おめでとうございます。
この一年も幸せであるように。
(オタクにこんな妄想されて一年が始まるのは本人的にはどうなんだろう)
＿
緑 side
「はあ、荷物多い」
玄関に大きな紙袋をドサッと置く。
今日は二十歳の誕生日ということで皆こぞってプレゼントをくれた。
重たいし大きいしで持ち歩くのは大変だったけれど、嬉しいやら恥ずかしいやらで複雑だ。
誕生日だからと強引に連れて行かされた飲みも早めに抜けて帰って来たのは今日が月曜日だからだ。
いつもの時間の十分前。濱田さんはもう居るだろうか。
少しほろ酔い気分でカラカラと戸を開ける。
その瞬間にいつもの苦い香りと白い煙が見えた。
「早いですね」
はやる気持ちを悟られないようにいつも通りに話す。
「今日は早く終わったんよ」
神山くんはちょっと遅かったなぁ、煙とともにそんな声が聞こえた。
「飲みに行ってたんです、誘われたから」
「珍しいな、まあ、そんなこともあるか」
へぇ、と言った具合に返される言葉。
今まで月曜日の夜に予定を入れることはあまり無かったから。
まあ、濱田さんもたまに居らんしなぁとかぼんやり考えていた。
「誕生日だからって連れてかれたんです。ただ飲みたかっただけだと思うんですけど」
ははっと笑いながらこっそり二十歳になったことを伝える。
子供っぽいなあと少し俯いて、まあ、お酒飲んだしと甘えたことを思った。
「そうやったん？ おめでとう、言うてくれたら良かったのに」
「そんなん祝って欲しいやつみたいやないですか」
「誕生日ぐらい祝わせてや」
濱田さんの言葉に、やっぱ大人だなぁと思う。
当たり障りなく相手を喜ばせてくれるような言葉。
俺のことは何とも思ってないだろうし、これが普通なんだろう。
「もうお酒は飲んだんやろ？」
「そうですけど、」
「じゃあ煙草吸ってみる？」
へぇ？ と阿保みたいな声を出したら可愛いなと笑われてしまった。
「前言うてたやん、俺十九やから吸えへんしって」
「言いましたけど、」
「俺の吸ったらええやん」
こっちのベランダで。
隅に追いやられるように話を進められて困惑してしまう。
濱田さんの部屋に入るってことやんな？
そんなん俺、どうしたらええの。
「じゃあ中で待っとるな」
「は、はい」
その後パタパタという足音とピシャンと閉まる戸の音がした。
＿
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零(プロフ) - 蘭芽さん» 返信遅くなりましたが、コメントありがとうございます。分かりやすくガツガツ行くようなイメージではなかったのでこのような作品になりました。そう言ってもらえて嬉しいです。 (2018年12月30日 16時) (
レス) id: ea67087d27 (このIDを非表示/違反報告)
蘭芽(プロフ) - ありがとうございました。両片思いなのが良いですね。イチャイチャラブラブすんじゃなくて落ち着いた恋ってばどさんにピッタリだと思います。 (2018年12月8日 16時) (レス) id: 568cceb099 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - はるさん» リクエストありがとうございます。人気CPですねー、考えてみます。 (2018年10月21日 22時) (レス) id: 2f1a09272c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - リクエスト失礼します。青×緑でリアル設定のお話が見たいです。よろしくお願いします。 (2018年10月21日 21時) (レス) id: d6652bb1f2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いちご18さん» リクエストありがとうございます。考えてみますね。 (2018年10月20日 19時) (レス) id: 2f1a09272c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零 | 作成日時：2018年9月30日 17時
