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目覚め。
*
ながい、永い眠りについていた。
深く暗い、空が見えない地中で。
「スピリット!!」
高くも低くもない、聞き取りやすく、刃のように鋭い声。
その声に俺は呼ばれたのか。
小さくて年端もいかぬ娘。けれど、その黄色の二つの瞳には強い意志が見えた。
…悪くない。
眠っている間にこの世界のデータが貪られていると耳にした。
俺も名ばかりだが、伝説の闘士。守る為ならばこのヘリウモン、力を貸そう。
「よろしく頼むぞ、継承者よ」
*
「死んでも守ってみせる」
小さな体で全てを守りきろうとする継承者よ。
いくら俺の体を操ろうが、継承者は人の子。これ以上の戦闘は耐えれる筈がない。
幾ら思えど所詮は一度消えた身。継承者に声は伝わる筈もなく。
「これで終わりだよ」
終焉は呆気なく突然に。
膝からがくんと倒れた継承者の体を支えたのは光の継承者。
その少年と他の少年少女目には涙が浮かんでいる。
継承者よ、継承者には居たのだな守りたい仲間が。
自分の為に涙を流してくれる仲間が。
「継承者よ、聞こえているか」
「俺を使ってくれて…感謝しよう」
これがせめてもの感謝の気持ちだ。
(陽の闘士の冒険譚)
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作者名：怜夜 | 作成日時：2015年11月26日 23時
