好きになってしまったから

最終回「精一杯の笑顔で」 ページ7

放課後
さっきの場所。
嫌だなぁ。
お気に入りの場所で好きな人から付き合った宣言とか。

あれ？
歩夢と、もう一人？
あ、付き合い始めた人かな？
嫌だなぁ。
行きたくないなぁ。
「あっ。A。」
歩夢は気づくとこちらに手を振ってくる。
僕は手を振り返す。
もう覚悟は決めてきた。
これでやっと終わる。
こんな悲しい恋も恋っていうのかな。
「A私ね付き合うことになったんだ。」
歩夢の表情は暗い。
僕になんか言われると思ったのかな。
でも、もう僕は決めたんだ。
精一杯の笑顔で言うって。
勇気を出せ。

僕は、口を開く。
『そっか。おめでとう！』
作り笑顔じゃなかった。
心からの笑顔。

今、僕の恋に終止符が打たれた。

終わりとともに、はじまりの合図が鳴る。

幸せになってほしい。心からそう思う。
僕の執着心や嫉妬心が、今この瞬間になくなった。
「ねぇ！これから３人で帰らない？」
歩夢が提案してきた。
いいな、それは。
この前の女子みたいなやつじゃないか確かめるか。
あいつらは明日にでも説教しとくか。

『うしっ！帰るか！』

新しい物語が始まった。
女の子なのに女の子に恋してしまった悲しいお話はこれで終了。
これからは、友達の恋を応援する新しい物語。

僕の恋の本は閉じて、僕の友達との本を開く。

僕らの新しい物語


　 ＥＮＤ

-------------------------------------
どうだったでしょうか？
トゥルーエンド(？)
終わりです。
次回はハッピーエンドのお話です。
今思えばこれもハッピーエンド？

じゃあ！次回もお楽しみに！

最終回「大好きな君、新しいページ」→←第五話「自己中」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す