mystery...12 ページ12
無事に給食も食べ、一日の授業は終わった。
これから、私を送って、みんなそれぞれの家に帰るらしい。
「よし、じゃあ帰ろー!おー!!」
子供3人が声を張り上げ、先頭を歩む中、大人二人は後ろの方でこそこそと何かを話し合っている。
かくいう私は後ろの二人の話を盗み聞きたいものだが、元太くんと歩美ちゃんに挟まれ、身動きをとることすら許されない状況にいた。
「Aちゃん、お家はどこなんですか?」
光彦くんがそう訪ねてきた。……さて、安室 A、ここでどう答えるかが肝心だ。
『うんっとねー、"ポアロ"!』
「え!?」
「はあ?」
周りから疑問の声が飛んでくる。……当たり前だ。だってポアロは喫茶店の名前なのだから。
『あ、今日は違うや。
私のお家はね〜、透兄ちゃんのいるところだよ!』
透兄ちゃんの顔を思い浮かべながら言う。察しの良い大人組は意味を汲み取ってくれるはず。
「Aちゃん、安室さんのこと大好きなんだね!」
『うん!』
……優しいし格好いい、さらには面倒見が良くて、料理も上手い、そんな零兄ちゃんのことは嫌いなわけはない。
……本人に面と向かって、"大好き"なんて言う機会めったにないし、言うつもりもないけどね。
「じゃあ、今日はポアロに行くのか?」
後ろから私と歩美ちゃんの間に顔を出したコナンくんが言った。
『うん!
でも、今日は透兄ちゃんシフト入ってないから、迎えに来てくれるまではポアロにいるよ。……きっと、夕食もポアロだろうなぁ〜』
「じゃあ、僕と一緒だね!」
『コナンくんも?』
「うん!
あ、そうだ!灰原たちも一緒にどうだ?」
コナンくんの問いかけに子供3人は賛成!と声を上げる中、彼女一人だけは違う反応をとった。
「博士のことも心配だし、私は遠慮しておくわ。それに吉田さんたちも今日は寄り道しないで早く帰った方がいいわよ。
ご両親が心配するわよ」
「……だな」
「はーい」
「チッ、残念だなー」
「コナンくんはいいですよねー」
3人それぞれが思い思いの発言をしたところで丁度、皆の家が別れる分岐点に到着したようだ。
「じゃあねー、また明日ー!」
「またなー!」
「また明日ー!」
『うん!また明日ねー!』
「また明日」
子供3人組と哀ちゃんとは別れ、コナンくんと仲良く(?)お喋りをしながらポアロへと歩いていった。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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