mystery...7 ページ7
『さっきも言ったでしょ。
両親を殺したのが黒の組織だとわかった今、……私は自分の手で片をつけたいの。
だから、この頭脳を活かして、潜入捜査をする』
「A。お前、殺しは出来るのか?銃殺、刺殺、毒殺……他にもたくさんある。……変死体や、目の前で仲間が殺されることも、自害する者を見ることだってある。
……耐えられるのか?」
「降谷さん……?」
「お前はまだ7歳だ。小学一年生だぞ。
……年端もいかない子にそんなこと、させられるわけ―」
『出来るよ。零兄ちゃん……
いや、出来るっていうのとはなんか違うなぁ。
何て言うか、やらないポジションに就くんだよ。それで、両親と組織の関係や、殺された理由を暴くんだ。
そして、黒幕を暴いて潰してやる……!!』
「…………降谷さん」
「…………ははっ、ははは…………っ。
止めても無駄のようだな。もう、決めてるんだろ……
お前のことだ。すでに組織と接触でも謀っているんじゃないか?」
零兄ちゃんの言葉を聞いて、ただでさえ大きな瞳をさらに見開いた風見さん。
『……もちろん。今は猶予期間だよ...』
「猶予期間?」
眉間に皺を寄せ、見るからに怪訝そうな顔をした零兄ちゃん。
『そ、猶予期間。
この期間は私が組織の人間に相応しいかどうかを
つまり、信用に足らない、組織には必要ないと判断されれば、殺される』
息を呑む音が聞こえた。
話が一段落ついたので、深く息を吸い込み、脳に酸素を送り込む。
ちらりと見遣った時計は、風見さんが我が家に来てからすでに1時間と30分経過していることを静かに告げていた。
……数分程、誰も言葉を発さずにいた。
その沈黙を破ったのは、徐に口を開いた零兄ちゃんだった。
「いつからだ」
『……』
「いつからだって聞いているんだ!答えろっ!」
胸ぐらを掴まれ、顔と顔の距離はこの数秒で究極に縮まった。
私の目に映った零兄ちゃんは、
悲しそうに。
それでいて尚且、確実に怒りを宿していた。
対する風見さんはさっきから下を向いていて表情がわからない。
……でもきっと、私の考えを理解出来ている者はこの場にはいない。
―――これだけは自信をもって言える。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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