mystery...19 ページ19
「もう遊びは終わりだ、ベルモット」
「はいはい、わかってるわよ。それよりも、ジン……。あなたそろそろその銃、しまったらどうなの?」
「まだだ。コイツがどんな奴かわかっていない」
はぁ、と深くため息をついたベルモット。
彼女は私を地面に下ろすと、そのままツカツカとジンに歩み寄っていった。
ベルモットが何をいったのかはよくわからなかったが、彼女に何かを言われたジンは驚き目を見開いている。
こちらをくるりと振り向いたベルモットはウインクをして零兄ちゃんの方へと歩み始めた。
それと同時に、拳銃を懐へとしまったジンがこちらに歩み寄ってきた。
突然のことに身体が固まってその場から足が離れない。
零兄ちゃんの方へと視線を移せば、零兄ちゃんもかなり焦ったような顔をしている。……あれ、もしかして、私殺されちゃうの!?
そんな不安に掻き立てられ、額からは嫌な汗がだくだくと噴き出す。
私の不安を知ってか知らずか、不気味な笑みを浮かべて近づいてくるジン。
ジンが一歩近づくごとに、一歩後ろへと下がり、これ以上距離を詰められないように頑張ってはいたが、ついにその作業にも終わりが来てしまった。……とんっと、冷たい壁に背がついた。
これ以上下がることが出来なくなった私は、次にくる衝撃に備えて、目をきゅっと瞑った。
……しかし、しばらく経っても、痛みなんてものは来ず、来たのは浮遊感だけだった。
ぎょっとして瞼を押し上げれば、私の体は宙に浮いており、脇にはジンの手があった。
『……!』
「なっ!何してるんですか!ジン!!!」
「何って、見ればわかるだろう。高い高い、だ」
「ふっ....っくくっ...」
ベルモットが乾いた笑を溢す。そんな彼女を軽くひと睨みをしたジン。
「高い高いってなんですか、あなたそんなことをする人じゃないでしょう?」
「なんだ、なんか不満があるのか?バーボン」
ぎろりと先ほど同様ネズミを殺せるような睨みをきかせるジン。正直、近くで見ている私の方が恐怖を感じる。
「あの作戦はお前が作ったってのは本当か」
「あの作戦?」
「この間の、よ」
『え、あ、はい』
「ふぅん。お前、俺の元につけ」
『え?……えっと、どういう?』
「ちょっとどういうことよ!ジン!!
この子はラムの元へつくのよ?あの御方が彼女の才能に目を付けたんだから!」
「構わん。俺はお前が気に入った」
どうやら、私の知らない所でいろいろと話が進んでいるようだ。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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