【実/況/者】ヤンデレだらけのアパートで【男主】 (ページ11)

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生活9日目ページ11

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冷たい感覚に思わず身を捻る
…俺、布団で寝てたはずじゃ

薄らと目を開けると、寝る前と少し違う景色
いや、違う
部屋自体は同じなのだろうけど、いる位置が違うのだろう

「目覚めたか」
『あ、ろまさん』

視線を合わせようと、起き上がろうとする
けれど、腕になにかがあって起き上がれない
それどころか、これと似たような感覚をどこかで味わったことがある

まさか、とは、思うけれ、ど

「自分から俺の部屋に来てくれるとは、本当嬉しい誤算だったな」
『あろま、さん、どういうことですか』

聞きたくない
嘘だろ、あろまさんが、こんなこと
あろまさんが俺の目線に合わせた

「どういうこと？そんなこと言わなくても、わかるだろ」

わからない、わかりたくない
この人の心情が全く理解できない
この人も同じだ。狂ってる

「俺もAのことがだーいすきなんだよ」

一つ一つの言葉がスローモーションで聞こえた
なんで、なんで、こうも俺が
このアパートには他の人だっている、皆俺よりイケメンなのに
どうして、こうも俺なんだ

「その怯えてる顔すげえいい」
『触るな…っ！』

ギリギリ触れるか触れないかの感覚で頬を撫でられ、鳥肌が立つ
男にこんなことされるなんて屈辱で仕方がない
一体俺が何したって言うんだ

レトルトさんの部屋から抜け出したのと同じように、手首を動かしても取れる気配なんてない
それどころか足も鎖で近くのベッドと繋がれている

「悪いけど、俺はレトルトさんみたいに慎重にいくタイプじゃないから」
『がっ…！』

思いっきり首を掴まれて、一瞬気道が塞がれた
けれど、あろまさんの手の感覚が首に伝わってこない
かわりに感じるのは、皮のような素材
それと一部に感じる金属のような冷たさ

そこで初めて、首輪をつけられていることに気が付いた

「俺は欲しいと思ったものは、とことん手に入れるタイプだし、Aもレトルトさんから逃げたくてここに来たんだろ？だったら、別に相手は俺でもいいよな？」
『ちが…』
「何が違うんだ？Aはレトルトさんより俺のほうがよくて、ここに来たんだろ？」

それは違う
あの時は助けてほしいの一心だった
それは恋愛感情とは違う
ましてや、こんな形なんて

しかも俺達男同士なのに

「…まぁ、今すぐ理解してくれなくていい」

その言葉と共に、首から手が離れた

「けど、これからAは俺から離れられなくなるから」

その言葉を理解するまでに、10秒もかからなかった