【東京喰種】DISCARD DESPAIR【短編集】

▽ ページ10

『私も、郡さんのことすっごく好きなんです。でも、あなたの隣にいていいのは私じゃないです』

ああ、寂しい
自分の声が遠くで聞こえる
目頭が熱い
涙がこぼれそう

「なんで」
『……郡さんが知っての通り私庭出身です。人間じゃないですもの。すぐに死んじゃいますよ。郡さんにふさわしいのは一生を添い遂げられる人間ですよ』
郡さんは怒ったみたいな顔をしている

ごめんなさい

「私にふさわしい人は私が決める」

パチンと一回デコピンをくらった
書類ミスったときにやられるものよりよっぽど痛い

「私にふさわしいのは私が好きな人、Aだけだよ」


彼はそう言って私を抱きしめた

ほんの少し煙草のビターな香りがする
強く、強く抱きしめられている
痛いくらいだ

「それに、喰種捜査官なんてものはみんな寿命短いよ」

「ねえA、もう一回さっきと同じこと言うよ。だからAの本当の気持ちだけ言って」


「私、Aが好き!」
ねえ郡さん
なんであなたはそんなに優しいの?

そんなふうに笑ってくれるから好きになっちゃったんですよ

『私も、郡さんが好きです』

▷▷

伊東「最近あの二人距離近いねえ。付き合ってんのかなあ」

佐々木「確かにそうかもね(この前Aちゃんと話してたら修羅の顔で睨まれたなあ…)」

伊東「なんか宇井さんも男っぽくなってきたよな」

佐々木「うん。怖さが増した」

守ってあげるよ、姉さん【旧多二福】→←後天的な愛情と【宇井郡】

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