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「遊びに来たよ匠くん!」
「つぼ浦〜!またAさん来たぞー!」
警察署の外でAさんの叫び声と、俺を呼ぶ声が聞こえた。無視しても一生外にいることは分かっているのでさっさと向かう。
「えへ、匠くんに逢いたくて来ちゃった♡」
「アンタ仮にもギャングっすよね?」
「指名手配解けたしいいかなーって!
それよりどうかな、、?」
Aさんはそう言ってクルリとその場で1周回る。
「どうって、、なにがっすか?」
「服だよ〜、匠くんに逢えるから気合い入れてきちゃった!」
確かによく見ると大型のパンツスーツ姿ではなく、
女性らしくて可愛らしい格好をしている。
「まあ、いんじゃないっすか?」
「そうじゃなくて!ね、かわいい?」
ぐっ、と言葉に詰まる。
まあ可愛いっちゃ可愛いが素直に言っては癪に障る。
「か、。」
「か?」
「かなりいいと思うっすね、、。」
「ほんと!?うれしーい!!」
その場でくるくる踊り出すAさんを見て、
少しの罪悪感が湧いた。
「ちくしょう!ジャムりやがった、、。」
大型中に詰まった銃をビルから蹴り捨て、バットを構える。目の前にはナイフを構えたAさん。
「よーやくこれで互角だね。」
「、、、そうっすね。」
無線から聞こえる声も慌ただしく、応援は挑めそうにない。月明かりがAさんと俺を照らして、無意識にバットを握り直した。
「うらァ!」
「やっ!」
どちらともなく駆け出して相手の懐に入る。
振り切ったバットが避けられ、Aさんのナイフが頬をかする。
「私が匠くんを殺したげるね!!」
「やれるもんならやってみやがれ!!」
Aさんのナイフと俺のバット交錯し地面にくらい影をつくる。月下の戦いは始まったばかりだ。
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作者名:月城 | 作成日時:2024年4月14日 23時