白い尾っぽの短編集 (ページ4)

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◇意外な君に首ったけ---kn ページ4

《酔っ払い・タバコ注意》

彼氏からの着信に気づけば直ぐに応答の文字を押す。

今現在、彼氏であるきんときはメンバーさん達と飲み会中。
しかもそろそろ帰ると言う時間でもない。なんなら盛り上がってきただろうって時間だ。
何かあったのか、『もしもし？』とスマホに向かって声を出すと、今まで聞いたことのない様な伸びた声が聞こえてきた。

「A〜…あいたぃ…」

『…え、きんときだよね？え？』

「む…きんといだよぉ…Aのかれしのぉ…」

呂律がうまく回っていない。
おそらく酒でも飲んだのだろう。酒耐久ミリもない癖に。

「ちょっきんとき！危ない！……あ、すみませんAさんですか？」
『その声は……ナカム、さん…ですかね？』

「そうです！すみません！なんかきんときが異常に会いたがってて……来てもらっても平気ですか…？」

『全然平気です。店は…』

店名を聞いた後、ここから少し離れていることに気づいた。
と言っても車を出すほどでもないので歩いて向かう。

『あの…ナカムさん？ですか？』
「え…もしかしてAさん…？」

『あぁ、はいAです。』

「え、あ…すみません！直ぐ連れ出してくるんで少しだけ待っててください！！」

店の前、彼氏が出てくるのを待つ。
なかむさんが少しおどおどしていたのは、私が煙草を吸っているとは思っていなかったんだろう。
まぁ実際庭で吸ってた時に電話きたから消すタイミングがなかっただけだけどね。
あとは身長、多分きんときと同じくらいに高い。ナカムさんは超えてる。

『あ、来たな。』
「ほらきんとき彼女さんだよー？」

「A〜……あぇ？たばこすってる……かっこいーね」

『きんときはフワフワしてて可愛ーね。ほれ行くぞ〜。』

「うぅ…A…」

歩こうとすれば後ろからもたれかかってくる。
いつもの彼とは違って本当に可愛い。
どうやら私の脳は彼から匂うお酒の香りにやられた様で…

「う、？」

『なに？お姫様抱っこの方が良かった？』
「いや……ねむぃ…」

調子に乗って彼をおんぶしていました。
後ろから見守るナカムさんに軽く会釈をした後家路を辿った。

翌朝、拗ねて布団から出てこなかった彼を見て、再び可愛いなと思ったのは内緒だ。