白い尾っぽの短編集 (ページ2)

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◇朝の温もり---br ページ2

《同棲中》

朝。ふと息が苦しく感じ、目を開ける。
すると視界には温かい何かが敷き詰められていた。

『んぅ…ぶ、る……ぐるじっ…』

「ん〜…？なぁにぃ…？」

こっちは今すぐにでも窒息してしまいそうにも関わらず、間伸びした声で返事を返される。
彼の胸板を軽く叩けばやっと酸素が口を通る。

『あ、ぶな…死ぬところだった…』

「ん〜…」

『…ふふっ…ほら、離して？』

相変わらずマイペースな彼に呆れるが、悔しいことに愛しさが勝ってしまう。
本当はずっとこの温もりに浸かっていたいが、朝ごはんを作らなければ。
彼の腕の中から抜け出そうと試みるが、再び強く抱きしめられる。

「やだ…もうちょい寝る…」

『えぇ…お腹すいた…』

「だいじょーぶ。寝たら気になんない、から…」

『……はぁ…仕方ないなぁ。』

彼の腕に潜り込むと彼の柔らかい笑い声が耳元に聞こえてくる。
温かい彼の吐息がこちらにかかるたび、睡魔が襲ってくる。

二度寝なんて生活リズム壊れちゃうな…なんて思いながらも、
こんな日もあっていいか。と半分諦める。

「おやすみぃ…」

『ふふっ。おやすみ…』

こんな朝があるんだから、いつまで経っても君からは離れられないな。
朝の温もりに浸かりながら、再び瞼を落とした。