少しだけの恋心 ページ10
-ゆうたside-
やまとと仕事をしているAは、やまとにずっとベタベタしている訳じゃなくて。むしろやまとが甘えたいのに我慢させられてるみたいだった。
会えなくなってから、ずっと読んでる「檸檬」。
何回も読んでは自分なりの答えを探してる。
1度だけやまとに、
やま「それAも持ってるやつだ」
と言われてさすがに嫌な気持ちになった。
俺とAだけの本だったのにな。
本を開く。
これで3度目の「檸檬」だ。
誰かが大事に呼んだ本を俺が手に取って俺の形になっていく本。
手によく馴染んで自分のものになって、Aのを借りていた時の気持ちを思い出して勝手に気まずくなった。
視線を感じる。
Aの視線が俺の手元に行く。
A「ゆうた…くん、それ」
ゆた「…久しぶりにくん付けされました」
A「あ…えっと、ごめん」
ゆた「俺と気まずくなってからさん付けで、Aさんってすげー残酷なことするんだなって、思ってました。」
A「……」
ゆた「これ、古本屋で見つけたんです。懐かしくなって読んだら俺なりの解釈がたくさん出てきて」
A「…うん」
ゆた「俺の本になっていってるなって。いいでしょ?」
A「…いいと思います」
ゆた「Aさん」
A「なんですか?」
ゆた「俺も残酷なことしていいですか?」
A「……」
ゆた「…この本を読む度に、あなたが忘れられません。」
A「え…」
ゆた「って言ったら、困りますか?」
A「…」
ゆた「……何も言わないんですか?」
A「……私は」
ガチャッ。
やま「A?」
A「あ、えっと、どうした?」
やま「ちょっとこっち来て」
A「う、うん。ゆうたさん、ごめんなさいちょっと」
ゆた「…はい」
やまとに手を引かれてついていくAは、いかにも恋人って感じで複雑な気持ちになった。
ゆた「……また、言わせて貰えない」
953人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Coffee(プロフ) - 完結した作品と町田さんに対して失礼かもしれませんが、二人が再開したあとがめちゃくちゃ気になります。是非続きの執筆の検討をお願いします。 (2023年1月4日 5時) (レス) id: 7ef3e9a63f (このIDを非表示/違反報告)
Coffee(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品を書いている方に対して申し訳ないのですが、今まで夢小説を見るのが苦手でしたが、この作品の世界観と文の雰囲気に惹かれてこのシリーズを最後まで読み切りました。最後のゆうたのセリフを読み終えたあと何故か泣いてしまいました。 (2023年1月4日 5時) (レス) @page27 id: 7ef3e9a63f (このIDを非表示/違反報告)
。 - 終わり方が好きすぎる、、、ここまでいい話ない、、🙂 (2022年9月6日 0時) (レス) @page27 id: 5310fc155c (このIDを非表示/違反報告)
itsuyose06(プロフ) - 今まで見てきた中で1番いい話(;_;) (2022年3月25日 3時) (レス) @page27 id: f92ba77be7 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 更新お疲れ様でした、とても素敵なお話でした!再会した後の2人がとても気になります!良ければ執筆して頂ければとても嬉しいです!是非検討よろしくお願い致します! (2022年2月25日 8時) (レス) @page27 id: 53801864fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:町田 | 作成日時:2022年1月28日 17時