ファンだけどファンじゃない-3-

犯人は。 ページ4

編集長｢□□社としては、今後雑誌を発売するのに売上が落ちるのではないかと心配している。特に雑誌のテーマが『彼女としたい理想のデート』らしくてやまとくんのファンが嫌な気持ちになるんじゃないかと言う話が挙がっている｣
A｢……ご迷惑をおかけして申し訳ございません｣
先輩｢…少し無防備だったね。でも｣
A｢でも？｣
先輩｢記事の内容をよく見て｣
編集長｢内容が明らかに詳しすぎるんだ｣

【コムドットやまと熱愛！？相手は〇〇社の美人担当W?】
『周りを警戒しながら女性の肩を抱き、自宅マンションへ入っていく若い男。今若い世代に人気のYouTuberコムドットのやまとである。過去の動画で｢彼女をいるかどうかは言わない｣｢一律いないことにする｣と話してたが、外で女性の肩を抱くとは警戒心がない。相手の女性は〇〇社の編集部所属のW。7月に発売予定のエッセイ本を担当しているようだ。Wは打ち合わせのために何度か家を出入りしている。しかし時間は夜の19時。そんな何を打ち合わせしているのだろうか…』

A｢会社とイニシャルが出てる…｣
先輩｢この写真は少し暗いし画像も粗いのに誰か特定できるなんて…Aさんの事を知ってないと無理です｣
編集長｢そうだよな｣
A｢……どうしたらいいのでしょうか｣
編集長｢まずは犯人探しより、君とやまとくんの関係がどうなのかが大事だ｣
A｢はい…｣
編集長｢2人は付き合ってるのか？｣
A｢えっと…付き合ってはないんですけど、なんていうか｣

編集長｢曖昧なのか？｣
A｢返事をしてないというか…｣
編集長｢この記事が出るならより真実に近い方がいいだろう。2人がちゃんと付き合ってるなら、それはそれでいい宣伝になると思うし、ちゃんと発表してもいいと思ってる｣
A｢……本人と話してどうするか決めます。あと｣
先輩｢？｣
A｢たぶん犯人、分かります｣
先輩｢え？｣

急に来なくなったメッセージ。
担当を外される前日の夜の電話。
急な担当外し。

『Aちゃんが担当してるYouTuber？コムドットだっけ？』

そしてこの写真。
私が後をつけられた日の夜だ。

諦めないといけない。→←まさかの失態。

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