Friend Ship

夢の話をしよう。 ページ31

源「Aさん。」

A「はい」

源「僕のこと、好きになってくれましたか？」

A「…」

今知ったばかりの気持ち。
言ってしまえばいいのに。

恋愛ドラマを見ているといつもそう思うのに、
自分のこととなると簡単には言えない。

線引きしたのは自分だ。

源「えっと…焦ってるんですかね。僕…すいません。急に、その」

A「源さん」

源「はい」

A「私、夢があるんです」

源「ゆ、夢ですか？」

A「はい」

ゆっくりと、おしぼりを取ると、
困り顔の源さん。分かっている。
その顔さえも愛おしい。

A「私、自分のカフェを開きたいんです。今、そのお金を貯めていて貯まったらここもやめて。全く別の地でお店をやりたいんです。」

源「素敵ですね」

A「…はい。だから、今のような生活はずっとは続かないと思います」

源「…それは、どうゆう意味ですか」

A「そのままの意味です。源さんの歌はとても素敵です。絶対にいつか、歌手になれます。」

源「…ありがとうございます」

A「そうしたら、一緒に住むのはよくないと思うし、私だっていつかはこの家を出ます。だから」

源「早く出ていけ、ということですか？」

A「そうじゃなくて…」

源「Aさん。僕は本当に貴女が好きです。だから、何をしてでも一緒にいたいと思っています」

A「私は！源さんを利用しているだけです」

言ってしまった。
一番言ってはいけない言葉だった。

このままいけば。→←言わない方が夢のため。

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